日商エレクトロニクスグループで主にITサービス商材を担っているエヌシーアイ(橋本晃秀社長)は、情報セキュリティサービスの拡充に力を入れる。北海道や首都圏、関西圏でそれぞれ運営する複数のデータセンター(DC)を統合的に活用する「ZETA Cloud(ゼタクラウド)」サービスを手がけるなど、クラウドサービスに積極的に取り組んでいる。橋本社長は、こうしたサービスの競争力の鍵になるのが「クラウド対応型情報セキュリティ」と位置づけ、セキュリティサービスの拡充に取り組む。

橋本晃秀
社長
 今年1月には同社の5番目の主力セキュリティ商材として認証サービス「ZETA Security Auth(ゼタセキュリティ・オース)」を発表。これまで手がけていたセキュリティぜい弱性診断やメール誤送信防止、ウェブサイト不正改ざん防止、SSLサーバー証明などに続いて投入したものだ。2014年中にもセキュリティ商材の第6弾、第7弾のスタートを視野に入れており、セキュリティ商材の一段の拡充を推進する。年内スタートを検討しているのはバックアップや暗号化分野系のサービスになる可能性が高いという。

 橋本社長は、セキュリティ専門会社の日本ベリサインの社長などを歴任した国内情報サービス業界トップレベルのセキュリテイ専門家だ。2012年に現職に就いてからクラウドサービスのセキュリティレベルを高めるためのサービスづくりに邁進してきた。直近の新サービスである「ZETA Security Auth」は、IDとパスワードのみでログイン認証を行うのではなく、ワンタイムパスワードを加えた二つの要素で認証。これによってセキュリティレベルを大幅に高めた。さらに「ZETA Security Auth」はシングルサインオン機能を実装しているので、異なるベンダーが提供する複数の業務アプリケーションへのログインを一つのIDで行え、ユーザーのログインにかかる負担軽減に役立つ。他社サービスではGoogle AppsやSalesforce、Office 365などを想定している。

 この背景にはクラウドサービスは便利である反面、世界中どこからでも攻撃の対象になるという危険性が避けられないという実情がある。サイバー攻撃は、もはや愉快犯レベルではなくなっており、「産業スパイやサイバーマフィア、さらには国家や軍隊が組織的に行うケースもある」と橋本社長は警鐘を鳴らす。すべての攻撃を防御することは難しくても、早期に発見して対処することはコスト的にも十分に可能とみている。

 こうしたエヌシーアイの姿勢は顧客からも高く評価されており、「ZETA Cloud」や「ZETA Security」など「ZETA」サービス関連事業の今期(14年3月期)売上高は前年度比3~4割増になる見通しで、来期もセキュリティ系を主軸とする新商材を投入していくことで高い成長を目指す。(安藤章司)