2014年3月設立のITベンチャー、シンクライアント・ソリューション総合研究所(TCSI、田口善一社長)が、本格的に営業活動を開始した。シンクライアント環境を構築する製品とサービスを開発・販売することに特化した企業で、本格展開にあたって三つの製品・サービスを用意した。目標の年商は3年後に10億円。当面は日本国内だけでビジネスを展開するものの、将来は台湾などアジア市場に打って出る。

田口善一
社長
 TCSIは、他社でシンクライアント製品の研究・開発に携わった技術者や、外資系ソフトメーカーの元マーケッターなどが集まって設立した企業。資本金は6400万円で従業員はおよそ20人。

 営業活動を開始するにあたって用意したソリューションは三つ。(1)シンクライアント用のUSBデバイス管理ソフト「VUMS(バムス)」、(2)「Windows Embedded OS」のカスタマイズサービス、(3)シンクライアント基盤を最適化するコンサルティングサービスだ。

 VUMSは、シンクライアント専用のUSBデバイス制御・管理ソフトである。開発元はソフト開発のMRYで、TCSIはMRYと日本市場での総販売代理店契約を結んで、国内で販売活動を開始した。一般的に、シンクライアント環境を構築したユーザー企業は、セキュリティ対策や管理が煩雑になるのを嫌って、USB機器の利用を禁止することが多い。TCSIは、それによって利便性が損なわれていることに着眼した。VUMSは、仮想デスクトップサーバーにUSBデバイスのドライバを集約して、端末とUSB機器を集中管理する。このことで、管理の手間を省くとともに、ユーザーごとに利用条件を設定して、接続制限をかけることができるようにした。すでに神奈川県内の自治体や、外資系生命保険会社などに納入しており、合計1万台以上で利用されているという。

 一方、Windows Embedded OSのカスタマイズサービスでは、パソコンやモバイル端末をシンクライアント化するためのソリューション。OSをWindows Embedded Standard 7/8に入れ替え、HDDを取り外してコンパクトフラッシュやSSDに変更。ユーザーのオリジナルアプリケーションソフトへの自動接続といった設定も行う。

吉川良一
副社長
 シンクライアント基盤を最適化するコンサルティングサービスでは、顧客の業務やIT環境を分析して、最適なシンクライアント環境を構築するためのプランを作成する。

 吉川良一副社長は、「タブレット端末の普及によって、シンクライアント需要は高まっている」と、市場環境が良好であることを強調。田口社長は「端末メーカーなどシンクライアントソリューションを提供しているさまざまなベンダーと協業関係を築いている。今は、頻繁にワークショップを開いてパートナーと強固な関係づくりを図っているところだ」と説明するように、間接販売網を強化する考えだ。(木村剛士)