【サンフランシスコ発】米セールスフォース・ドットコム(セールスフォース)のマーク・ベニオフCEOは、10月13日に開幕した自社イベント「Dreamforce 2014」で、2日目の基調講演に登場した。プレゼンのポイントは、BI(ビジネス・インテリジェンス)市場への参入と、ソフト開発基盤「Salesforce1」の開発者支援ツールの提供。とくにBI市場への参入は、後発の位置から競合他社をどこまで追撃できるのか、注目が集まる。

基調講演に登壇したマーク・ベニオフCEO

2年をかけて開発したデータ分析ツール

 データ分析、BIツールとして発表したのは、「Wave Analytics Cloud」。一部メディアの報道で情報は数日前に漏れていたが、今回、ベニオフCEO自らが正式発表した。データの分析に慣れていないユーザー企業のマーケティング・営業部門の担当者が、簡単に大量のデータを分析できるように工夫した操作性と柔軟性、高速処理が特徴だという。構想から約2年をかけて開発した。

基調講演の「Wave Analytics Cloud」スライド資料、製品イメージは文字通り「波」

 ベニオフCEOは、「Wave Analytics Cloud」について、「統合された分析機能は使いやすく、データのビジュアル化は驚くほどいい。まるでゲームをしているような感覚で、楽しく簡単にデータをグラフや表で表示できる。大半の他社製ツールは、今の時代、つまりスマートフォンで何でもできる環境を想定していないときに開発したレガシーな技術を採用している。私たちは、ユーザーの最新環境に合わせた最新技術を取り入れている」と、他社との差異化ポイントを語った。

 「Wave Analytics Cloud」はBIツールに位置づけられる製品で、タブローソフトウェアやBIツールをもつ総合ITベンダーと、BIツール市場で勝負することになる。顧客情報の管理から始まり、アプリケーション開発基盤やマーケティング支援ツールの開発、クラウドマーケットプレイスの形成など、急速に業容を拡大してきたセールスフォースが、今度はBI市場に挑むことになる。

セッション中には「Wave」を意識してか、マイク・ラブ率いる往年のウェストコースト・ロックバンド、ザ・ビーチ・ボーイズが登場。会場を盛り上げた

「Salesforce1」でソフト開発しやすくする新ツール

 基調講演でベニオフCEOがもう一つ発表したのが、開発者が「Salesforce1」上でソフトを容易に開発できるツールキット「Salesforce1 Lightning」だ。ファウンダーで、セールスフォースの全ソフトの開発を統括するパーカー・ハリス氏は、「デベロッパーを助けるもので、稲妻のように早い」と説明した。

Salesforce1 Lightningの構成図

「Salesforce1 Lightning」のプレゼンで、パーカー・ハリス氏は特注の衣装で会場を沸かせた

ヒラリー・クリントン氏がゲスト出演

 ベニオフCEOの基調講演の前、午前のセッションでは、ヒラリー・クリントン氏がゲスト出演。クリントン氏は、セールスフォースの活動について、「テクノロジーでイノベーションを起こしているだけでなく、慈善活動に取り組む姿勢がすばらしい。子どもの教育、起業家の支援、貧しい家庭へのサポートなど、さまざまな取り組みを進めている。この姿勢もイノベーションといえる」と称えた。

 「Dreamforce 2014」は16日まで開催。4日間の来場者数は約14万5000人の見込みで、「オンラインでの参加も含めれば500万人以上が参加する」(ベニオフCEO)。日本からは、パートナーやユーザー企業関係者、約600人が現地に入っている。(木村剛士)

マーク・ベニオフCEO(左)とヒラリー・クリントン氏

ヒラリー・クリントン氏は「セールスフォースの慈善活動はイノベーション」とセールスフォースの社会貢献活動を称えた

イベント会場のMoscone Center。屋外に特設ステージやベンチ、ソファを配置し、音楽が鳴り響く。卓球台を置くなど、エンタテインメント感を出して、参加者を楽しませる演出がみられた