ITホールディングスグループのTIS(桑野徹会長兼社長)とデータセンター仮想化(VDC)技術の研究に力を入れるあくしゅ(山崎泰宏代表取締役)は、クラウドベンダーによる「クラウドロックイン」を打破する新しい技術を共同で開発すると、5月25日発表した。

 クラウドロックインをなくす要素技術としては、「ネットワークやネットワークなどシステム全体をパターンとして記述する手法と、異なるクラウドをまたがったリソース管理を実現するデータセンター仮想化(VDC)の技術を組み合わせる」(TISの油谷実紀・戦略技術センター長)ことで実現する。

異なるクラウド間の差異を吸収する仕組みのイメージ

 同技術を活用することで、システム構成や運用手順を記述したパターンから、システムを自動的に生成・構築することが可能になるとともに、仮想データセンターを活用することで「特定のクラウド上で稼働するシステムを、別のクラウドへ移行する可搬性をもたせることも可能になる」(あくしゅの山崎泰宏代表取締役)と話す。

写真左からTISの松井暢之・戦略技術センターエキスパート、油谷実紀・戦略技術センター長、あくしゅの山崎泰宏代表取締役

 これまでは、仮想サーバー単体を別のクラウドへ移行することは可能だったが、ネットワークやストレージなどを含めた「システム全体を異なるクラウドへ移行させることは難しかった」(TISの松井暢之・戦略技術センターエキスパート)。

 仮想化技術はサーバーのみならず、ネットワークやストレージ、あるいは、あくしゅの山崎代表が取り組むようなデータセンターを丸ごと仮想化してしまう技術を応用することで、こうしたシステムの可搬性を高め、異なるクラウドを行き来させる「クラウドオーケストレーション」の適用範囲を広げられるよう、両社で協力して関連技術の共同開発を進め、クラウドサービスベンダーによる“ロックイン”を打破していく方針だ。