デル(平手智行社長)は5月12日、佐賀県がテレワークの促進、業務の効率化、ワークスタイルの変革を推進するために、仮想デスクトップ(VDI)環境を構築・活用し、ファイルアクセスに有効で拡張性の高い自動階層化ストレージ機能を備える「Dell Storage SC」と「Dell PowerVault」を導入したと発表した。

 ICTを活用して従来の仕事のあり方、働き方の見直しに取り組む佐賀県は、07年度に策定した県行財政改革緊急プログラムによる職員削減や、介護離職対策、災害時の業務継続などに取り組んできた。また08年1月には、全国に先駆けて在宅勤務制度を導入するなど、限られた人的資源を最大限に生かす合理的な組織づくりに取り組んできたが、テレワーク促進と業務改革が思うように進まない状況だった。これに対し、タブレット端末などのデバイスを活用することで業務効率を向上させることはできないかと検討を開始し、13年頃から業務改革部門とICT部門が協力することで、テレワークのインフラ整備と職員の意識改革を進めてきた。

 具体的には、タブレット端末100台を利用したモバイルワーク推進実証事業を開始すると同時に、VDI環境を構築。県内(11か所)、首都圏(1か所)、関西(1か所)にあるサテライトオフィスや在宅での勤務、出張先や執務室外でモバイルワークができるように整備して、職員が実際にテレワークを体験することでテレワーク活用への意識向上を促した。その際、データをデバイス上に保存していたため、他のデバイスからは最新のドキュメントにアクセスできない、デバイスの故障によるデータ紛失、セキュリティなどの問題が生じ、大容量の共有ストレージの必要性が高まった。

 それ以前も、部門ごとに小規模なファイルサーバーを構築していたが、VDI経由で快適にテレワークを行うには、それぞれの職員に50GB、部門ごとには100-200GBのワークスペースが必要であると想定された。全体で200TB以上の拡張性があることに加え、県庁と教育庁の4000名が利用可能な大規模ファイルサーバーの要件として、安定して稼動する堅牢性と可用性、セキュリティの高さ、容易な一元管理、拡張性、低コスト、加えて職員の利便性を考慮したうえで、6万IOPSというパフォーマンスの要求などが挙げられた。

 こうした要件を満たすシステムとして、NAS製品が最適であると判断し、インテルXeonプロセッサ搭載「Dell Storage SC8000」(コントローラ)、「Dell PowerVault NX3300」(NASストレージ)、インテルXeonプロセッサ搭載「DellPowerEdge R420」(サーバー)、「Dell Networking S4810」(スイッチ)を入札。モバイルワーク実証実験を始めて以来、職員のテレワークへのモチベーションが高まっていたなかで、デルとユニアデックスでは、入札から約2か月でファイルサーバーを整備した。

 これにより、多くの資料を持ち歩かなくてもタブレット端末でファイルサーバーのファイルに随時アクセスできるようになり、持ち帰り対応が49%減少した。また、移動時間を有効利用する回数が3倍に、会議の結果を報告書にまとめる時間も50%短縮。出先からの直帰率も75%上昇し、ワークライフバランスにも効果が出ているという。

 佐賀県では、引き続き県民へのサービス向上のため業務改革を推し進め、自治体の課題解決となるような仕組みづくりに挑戦していく方針。