週刊BCNは2月2日、今年初の全国キャラバン「業界の“今”がわかる!有力商材が見つかる!SIer・リセラーのためのITトレンドセミナー」を愛知県名古屋市のミッドランドホールで開いた。キャラバンは本日の名古屋を皮切りに、1年かけて全国12か所を巡回し、各地域のITベンダーに最新情報を提供する。今回は、協賛企業として、ラリタン・ジャパン、サイバーソリューションズ、キングソフト、NTTPCコミュニケーションズ、ペンタセキュリティシステムズ、ビーブレイクシステムズの6社がソリューションやサービスを披露したほか、展示ブースを設け、具体的な部分を個別に解説した。

 基調講演では、元日経システムプロバイダ編集長でIT産業ジャーナリスト、ITビジネス研究会の田中克己・代表理事が「変わるIT産業、変わらぬIT企業」をテーマに持論を展開した。受託ソフト開発が縮むなか、中小SIerがビジネスを転換する方法などを伝授した。

 田中代表理事は、10年前の自著である「IT産業の崩壊の危機」に書いてあることに触れ、「その時と状況は変わっていない」と指摘。その上で、調査会社ガートナーが示した「企業向けコンピューティング市場リーダー」について話し、「新興ITベンダー、新しい革新技術をもった会社が登場する」と、最近は新陳代謝が激しく、勢力図の様相が変化していると語った。

 国内で展開する人工知能(AI)やIoTについては、「残念ながら欧米製品に頼っている。世界で日本のマーケットは15%程度のシェアがあったが、最近は5%を切った」と、日本市場が見向きもされなくなったという。また、その顕著な例として、1月にラスベガスで開催されたCESに触れ、「世界で4500社が出展し増え続けている。日本はわずか49社しか出ていない。ドイツなどでは、自国の有力ベンチャーを国が支援する姿があった」と解説した。

 ただ、日本のメーカーでも改革を遂げている会社があると、コマツ(小松製作所)などの例を挙げ、「SAPジャパンやオプティムと組んで構築した建設業向けIoT基盤で世界的に力を示したほか、ファナックなど生産工程の自動化で世界のリーダーになろうとしている」と話した。
 
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ITビジネス研究会の田中克己・代表理事
 
 協賛会社が登壇する「セッション1」では、ラリタン・ジャパンの竹永光宏・カントリーディレクターが「進化したインテリジェントPDU(Power Distribution Unit)の活用シーンと今でも使えるKVMスイッチによるリモートアクセスのつぼ」と題し、インテリジェントなラック電源管理ソリューションなどを、事例を含め解説した。同社のソリューションは、業界随一の計測精度とアウトレット制御を実現できることから、データセンターやサーバールームの電力負荷最適化に欠かせない商材として注目が高まっている。

 竹永ディレクターは「当社製品は、デジタルトランスフォーメーション関連で、金融やテクノロジー、政府関連などで世界的に採用されている。日本市場では、ヤフーやIIJなどに導入されている。最近は、IoTビジネスで、クラウドやデータセンターなどのインフラが増えている。それらインフラの電源管理やリモートアクセスなどのソリューションを提供し、ラックレベルで管理できる」と、パブリック・オンプレミスを問わず、IT管理者がデータセンターのサーバールームの電力負荷最適化などで、ラリタン製品の採用が増えているという。

 その上で、インテリジェントPDUの活用シーンを紹介した。「電圧・電力の状態、電気ブレーカーレベルやコンセント単位での計測、ウェブカメラやIT資産管理系などの周辺にも使われ始めている。このPDUが無いと、ラック・サーバーの電力量を測ったり、電源のON/OFFの制御などに際し、実際に現場に行く手間が発生するほか、人的ミスが起こり、サービスが止まることも考えられる。PDUを採用すると、リモートでこれらを解決できるほか、電力量やキャパシティなどのデータをリアルタイムに可視化でき、正しい情報を把握することができる。また、取得したデータをAPI連携し、ラック活用などで利用できる」と、効率化の実例を示した。
 
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ラリタン・ジャパンの竹永光宏・カントリーディレクター

 「セッション2」では、サイバーソリューションズの越智義喜・営業部クラウドセールスグループグループマネージャーが「ランサムウェア、標的型攻撃を根本的に阻止!~話題の最新メールセキュリティで企業の強靭性向上をご提案~」をテーマに、標的型攻撃やマルウェアの侵入経路の約8割が不正なメールである現状を示した上で、国内100団体の自治体に導入した「メール無害化」のソリューションなどについて説明した。

 越智マネージャーは「当社は、国内唯一の企業向けメールシステム専門企業だ。複数の製品を提供しており、製品名の最後に『Σ』とあるのは、クラウドで提供している。そのクラウドサービスでは、稼働率を公表しているが、ここ数年ほとんど100%で動いている。当社の特徴は、リアルタイムにメールデータをアーカイブする」と紹介した。

 その上で、標的型攻撃など昨今の課題に言及。「標的型攻撃の経路は、メールが8割で添付ファイルから感染する。マルウェアは、手口が巧妙で新種が乱発していて、防ぎきれない状況にある」と述べたあと、「ファイアウォールが機能していても、マルウェアを完全に防げない。そこで、当社製品では、ネットワーク分離という考え方で侵入させないようにしている。自治体には、ネットワーク分離とメール無害化を標的型攻撃の防御策として推奨」したことで、販売が伸びたという。

 また、メール無害化については、「仮想環境でネットやウェブメールにアクセスすることや送受信記録の保全などの指導が国からあった。いまは、自治体関連に続き、金融機関や教育委員会、大学、病院がメール無害化の検討をしている。今後は公共関連、上場企業、セキュリティ重視企業が導入を始めると予想している」と、同社の「CyberMail-ST」などを紹介した。

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サイバーソリューションズの越智義喜・営業部クラウドセールスグループグループマネージャー

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