日立システムズ(北野昌宏社長)は9月27日、食品スーパーなどの小売業や食品製造業向けに、今年6月の卸売市場法改正を踏まえた新たな青果流通ルートとして、生鮮品の納期短縮や仕入れコストの低減やトレーサビリティ管理を支援する「青果サプライチェーンサービス」の提供を10月から開始すると発表した。

 青果サプライチェーンサービスは、従来の卸売市場を通じて取引を行う青果流通ルートではなく、日立システムズとパートナーシップ関係にある生産者、青果コーディネーターと食品スーパーや食品製造業の顧客をデジタル化により一元管理されたサプライチェーンでつなぐサービス。これにより、従来の市場を介した取引ルートに加え、市場を介さずにより生産者と直接的で効率的な取引をすることが可能となり、品質・鮮度の良い商品の仕入れや仕入れに関わるコスト低減を実現できる。さらに、青果サプライチェーンサービスを通じた取引データは、同サービスで一元的に管理されるため、トレーサビリティ管理を効率的に行うことができる。

 なお、ファーストユーザーとして東海地区を中心とした地域密着型スーパーのカネスエ(牛田彰代表取締役)向けに、日立ソリューションズ西日本(秋山和三社長)、ファーム・アライアンス・マネジメント(松本武代表取締役)と連携してサービスを提供する。

 カネスエでは、青果サプライチェーンサービスを活用して生産・品質・販売実績などのデータを可視化・共有することにより、安定した供給量の確保と農業生産者との信頼関係をより強固なものにしていく考え。具体的には、中間卸売業者の中でも魅力的な商品を確保可能で、物流管理も徹底している青果コーディネーターであるアイゼンライン(原田満博社長)を通じたサプライチェーンを構築した。アイゼンラインは、ファーム・アライアンス・マネジメントの生産情報管理システムや日立ソリューションズ西日本の販売管理システムを活用して生産履歴や出荷情報などを登録し、農業生産者などから安全で高品質な青果を仕入れ、カネスエ向けにスピーディーに届けるほか、産地開拓やコールドチェーンの構築を支援する。

 また、この取引に関わる受発注は、日立システムズのクラウド型EDIサービス「REDISuite」を通じて電子的に行われ、各種データをサプライチェーンに関わる生産者やアイゼンラインなどとシームレスに連携する。これにより、市場を介さずに品質・鮮度の良い商品の確保を実現するとともに、サプライチェーン全体でのデータ一元化を実現し、トレーサビリティ管理を効率化する。

 今後、日立システムズでは、カネスエ向けの青果サプライチェーンサービスでの取引先や取り扱い商品を拡充していくとともに、今回の事例を生かして他の小売店や食品製造業向けに拡販し、2021年度末までに流通総額100億円を目指す。また、将来的には、一元管理する各種情報とSNS上での発信情報やトレンド情報、気象情報などの外部データを組み合わせてクラウド上に集約し、データ解析やAIなどの技術を活用した分析を実施することで小売業や中間卸売業者、農業生産者に有益な情報をリアルタイムで提供するサービスなど、農業生産・流通に関わるバリューチェーン全体のサポートするサービスを拡充していく予定。