アイティフォー(東川清社長)のコンタクトセンター向け「ロボティックコール」の販売が好調だ。クレジットカード会社や信販、銀行、債権回収会社などが運営するコンタクトセンターを念頭に置いた商材で、返済金を滞納した利用者にロボットが自動で催促の電話をかける。

大枝博隆
取締役
 発売初年度の昨年度(2018年3月期)は4社しか受注できなかったが、今年度に入ってから受注ペースが上昇。上期(4月~9月)だけで8社から受注を獲得し、今年度通期では累計20社ほどの受注を見込んでいる。

 受注が好調な背景には、人手不足でコンタクトセンターの人員確保が難しくなっている点がある。これに加えて、「チャットボットやスマートフォンのAIアシスタント、スマートスピーカーなど、ロボットとの会話が社会的に受け入れられつつある」(大枝博隆・取締役執行役員CTI・基盤システム事業部事業部長)ことが挙げられる。

 カード会社などにとって利用者は大切な顧客であり、ロボットが電話をかけることが失礼に当たるのではないかとの懸念から、二の足を踏むケースが見られた。しかし、折からの人手不足に対応するためにはロボットによる業務自動化が有効であることや、ロボットとの会話が利用者に受け入れられつつある現状が、ロボティックコールの相次ぐ採用につながっている。

 返済日に入金がなかった場合、一般的には翌日すぐに催促の電話を入れると入金の約束を取り付けやすい。単純に忘れているだけの人が多いためだ。次に利用者の給料日に合わせて催促するのも効果的。ポイントは効果的な日を狙って電話を入れることだが、人員に余裕がなかったり、コンタクトセンターの処理能力を超える件数がある場合は、催促の電話が遅れてしまう。ロボティックコールを使えば、狙った日に確実に電話を入れることができる。

 また、ロボティックコールは電話を受けることもできる。例えば携帯電話のショートメッセージで折り返しの電話を求めた場合、昼休みと夕方に返電が集中してしまう。せっかく折り返してくれたのに、コンタクトセンターの受付能力の制約で電話がつながらないのでは入金の約束を取り付けられない。ロボティックコールならば折り返してくれた利用者を待たせることなく対応できる。一般的な入金約束の取り付け率は10~15%だが、ロボティックコールを使えば20~35%程度まで高められると同社ではみている。

 アイティフォーは、債権管理システムに強いSIerで、当初、ロボティックコールは債権管理の既存ユーザーへの販売を主に見込んでいた。ふたを開けてみると既存ユーザーと新規ユーザーの割合はほぼ半々。新規ユーザー開拓にも役立っている。拡販に手応えを感じている同社では、向こう3年で全国100カ所のコンタクトセンターへの販売を見込む。(安藤章司)