理経(猪坂哲社長)は10月24日、バーチャルリアリティー(VR)を活用し、煙中での火災からの避難を疑似体験できる新製品を11月から提供すると発表した。2017年4月から提供している「避難体験VR」の内容を全面的にリニューアルするとともに、より実態に近い煙の動きをともなった火災環境をVR空間上で再現した。コンテンツの開発は、火災避難を研究している東京理科大学大学院の関澤教授が監修を務めた。

 新製品は、防災訓練用VRとして火災の煙による視界不良や、避難時に有効な判断要素を体験型で学ぶことができる。煙の状況は時間経過とともに変化し、またしゃがむことで目線が変わるなど、実際の火災避難時の状況に近い内容を再現している。映像視聴だけでなく、実際に自分で避難方向を判断し避難口を出るまでの一連の流れを体験することが可能。避難に要した時間や、避難時にどの程度煙を吸ってしまったかなど、さまざまな避難行動が評価される仕組みとなっている。

 PCと接続するハイエンド型や、モバイル型などの幅広いVRゴーグルに対応。またVRゴーグルは一般的に13歳以上が体験対象となるが、13歳未満の子ども向けのゴーグル・内容もあり、年齢を問わず体験することができる。

 機材の立ち上げは5分程度で可能となっており、体験者に合わせて操作方法も複数パターン用意するなど工夫している。また、屋外(テント張り)・雨天時も使用可能。さらに、VRゴーグルを複数台用意することで、同じ災害現場を複数人で同時に体験することができる。複数人はそれぞれ操作を行うことも可能になっており、集団での避難体験をシミュレートできる。日本語のほかに英語、中国語での体験が可能。外国人向けの防災訓練でも活用できる。

 理経では、市や区の単位だけでなく、より地域に根差した自治会などの組織で活用できる廉価なVRコンテンツの開発を行っていく方針。また、現在開発している自主防災のコンテンツ開発と並行して、今後は隊員向け訓練領域での同技術の活用を目指す。
 
避難体験VR