TISとラックは、情報セキュリティ事業で協業する。両社は企業ユーザーのセキュリティ対策について、未知の脆弱性に対する攻撃を前もって防ぐ「事前予防」をはじめ、ウイルス駆除を中心とした「リアルタイム検知」、不正侵入されてしまったあとの侵入経路の特定や再発防止策を立てる「事後対処」の三つで担当を分割。TISは事前予防と事後対処を主に担い、ラックはリアルタイム検知の技術を主に提供することで、セキュリティ事業の競争力を一段と高めていく。ユーザー企業に向けての販売はTISが担う。

ラック
齋藤 理
専務

 ラックは、セキュリティ領域に強いSIerであり、約800人のセキュリティ専門の人材を抱える一方で、間接販売の販路拡大にも取り組んできた。だが、セキュリティ領域は専門性が高くなってきており、「近年では直販指向が一層強まる」(ラックの齋藤理・取締役専務執行役員)傾向にある。
 
TIS
岡本安史
専務

 この状況を踏まえて、セキュリティ領域のビジネス拡大に力を入れているTISは、単なる間接販売ではなく、ラックとの協業という形で直販と同等の体制を整えた。また、今回の協業により、「総合的なニーズに対応できる」(TISの岡本安史・取締役専務執行役員サービス事業統括本部長)ようになることへの期待も大きい。

 今後については、金融や産業、公共などの業種への対応を順次進めていく。金融は金融庁、産業は経済産業省、自治体などの公共は総務省と所轄官庁が異なる。そのため、業種に合わせたセキュリティの各種ガイドラインが、所轄官庁から示される。各種ガイドラインに準拠した業種別セキュリティ対策のテンプレートを用意することにより、ユーザー企業が導入しやすいセキュリティソリューションの提供を目指す。

 TISは、ラックとの協業をテコにクラウド&セキュリティ事業セグメントで2020年度に200億円の事業規模にしていく方針である。(安藤章司)