
これまで多目的ダムでは、地上雨量とレーダ雨量を用いて解析雨量を算出し、ダム流入水量を予測してきた。地上雨量は高頻度で正確な降雨量を測ることができるものの、観測範囲が狭いというデメリットがある。対してレーダ雨量は、範囲が広く遠方まで観測可能だが、局地的・速報的な降雨量を測るにはあまり向いていない。

そのため地上雨量とレーダ雨量のデータを合わせて、広範囲かつ正確な雨量を解析雨量として算出してきた。しかし解析雨量は、30分おきに過去1時間の雨量から算出されるため、速報性に欠け、ダム流入水量に誤差が生じることがある。

今回、解析雨量を正確な値と見立て、レーダ雨量データを画像解析技術で補正することで、広範囲で解析雨量と同程度に正確な降雨量データを、従来の30分単位ではなく5分単位で算出することができた。これにより、ダム流入水量をより正確に、迅速に予測することができ、ダムの運用を効率化することができるという。