富士通研究所と富士通研究開発中心有限公司(FRDC)は、大量の学習データを準備しなくても、映像から人のさまざまな行動を認識するAI技術「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)」を開発した。

 従来、AIで人の行動を認識するためには、認識対象となる行動ごとに大量の学習用の映像データが必要なほか、新たな行動を追加するにはまた一から映像データを収集する必要で、現場導入までに数カ月の時間を要するという課題があった。

 今回、人の行動は、歩く、首を振る、手を伸ばすなどの基本的な動作の組み合わせから構成されているという特徴を生かし、約100種の基本動作をあらかじめ学習して認識できるようにしておき、それを組み合わせることで、不審行動や購買行動といった人の複雑な行動を認識できるようにした。

 約100種類の基本動作は、平均90%以上の精度で認識できるので、歩く、走るといった基本動作のほか、首を右や左に回す、顔を上や下に傾けるなどの細かい基本動作でも高精度に認識できるという。
 
不審行動とみなす基本動作の組み合わせ例

 Actlyzerは認識したい行動を基本動作の組み合わせで指定できるため、人のさまざまな行動をそれぞれ認識するシステムを短期間で現場に導入することができる。従来目視で行っていた不審者の発見の自動化、小売店での来店者の購買行動から商品に対する関心度、工場では熟練者と初心者の技能比較など、さまざまな業務のセキュリティの向上や現場改善などを支援する。

 効果の検証では、屋内や屋外で撮影された21種類の映像データを使って、家の様子をうかがう、凶器を振り回すなど検出したい8種の不審行動を認識する実験を行ったところ、全ての不審行動が認識できた。この8種の不審行動を検出するための基本動作の組み合わせのルール作りは1日で作成できたため、顧客は1日の評価実験だけで本技術の現場への適用可否が判断できる。