野村総合研究所(NRI)は11月26日から27日にかけて、全国20~79歳の男女合計5156人を対象にコロナ禍での生活やビジネスへの意識動向に関するインターネットアンケート調査を実施した。
 

今後の自身の生活をどのようにしていきたいと思うか(全体、コロナワクチン接種有無別)

 今後、自身の生活をどのようにしていきたいかを聞いたところ、「コロナ禍前の生活に戻していきたい」が約3割(30.8%)で、「ある程度はコロナ禍前の生活に戻したいと思うが、完全には戻さないと思う」との回答が最も多く、約6割(60.7%)だったという。なお、コロナワクチン接種済みに限っても、「ある程度はコロナ禍前の生活に戻したいと思うが、完全には戻さないと思う」が62.9%と、「完全には戻さない」が最も多い傾向は変わらなかったとのことだ。

 今後、自身の「外出」「飲食」「旅行」などの活動頻度はどうなると思うかについて尋ねたところ、「コロナ禍以前の頻度と同じになると思う」と「コロナ禍以前の頻度よりも多くなると思う・やや多くなると思う」を合わせた割合は、いずれの活動でも過半数に及んだという。しかし、「コロナ禍以前の頻度よりも少なくなると思う(「やや少なくなる」を含む)」の割合に注目すると、「大人数での飲食」と「海外旅行」については、それぞれ4割以上(43.8%、41.9%)がコロナ禍以前よりも減ると回答している。

 なお、「大人数での飲食」と「海外旅行」ほどではないものの、「屋内で行われるイベント等への参加(38,8%)」「屋外で行われるイベント等への参加(37.4%)」「夜間の外出(34.0%)」についても、それぞれ3人に1人以上がコロナ禍以前より減ると回答したという。

 現在、就労中の人に、今後、自身の「通勤やテレワーク」「会食」「出張」など、ビジネスに伴う諸活動の頻度の見通しを尋ねたところ、「コロナ禍以前の頻度と同じになると思う」と「コロナ禍以前の頻度よりも多くなると思う(「やや多くなる」を含む)」を合わせた回答は、いずれの活動でも7~8割前後に及んだとのこと。中でも、「オンラインでの打ち合わせ・商談」の頻度がコロナ禍以前よりも多くなると回答した人の割合は約3割(30.7%)で、他のビジネス活動と比べて高くなったという。一方、「海外出張」の頻度がコロナ禍以前より少なくなるとの回答割合も3割超(33.6%)で、他のビジネス活動に比べて高いのが特徴とのことだ。

 今後、自身の生活をコロナ禍前に戻すために必要だと思うことを聞いたところ、「新型コロナウイルスの治療薬や治療方法が明らかになること」が最も多く(73.3%)、次いで「感染しても確実に、適切な治療を受けられる医療体制になること(65.1%)」。なお、コロナワクチン接種済の人も未接種の人も、「治療薬・治療方法の確立」が最も多く、次いで「医療体制の整備」が多い結果となったという。

 調査が行われた11月下旬の時点では、ワクチンの接種が進んだことなどで感染拡大は抑制されていた。しかし、「コロナ禍前の生活に戻していきたい」と考える人は一部にとどまり、「ある程度はコロナ禍前の生活に戻したいと思うが、完全には戻さないと思う」と考えている人が多くを占めている。長期にわたって自粛を要請されてきた「大人数での飲食」や「海外旅行」「海外出張」については、今後もその頻度を少なくするとの回答が目立ったとのことだ。

 コロナ禍前の生活に戻していくために特に必要なこととして、「治療薬や治療方法の確立」と「医療体制の整備」との意見が多く、今後、経済社会活動を少しでも広げていくためには、この両者を推進。また、仮に感染が収まっているとしても、経済社会活動再開の観点からは、とりわけ治療方法や医療体制に関する最新情報をわかりやすく、周知することが重要だと、NRIでは捉えている。

 一方、調査結果からはコロナ禍による行動抑制が長期に及んだことで新しい価値観や生活スタイルの定着が進んだ様子も垣間見られ、企業や政府・自治体にはそうした変化を前提とした事業・政策の転換も求められているとのことだ。