デル・テクノロジーズは、ミッドレンジストレージ「PowerStore」、ミッションクリティカルストレージ「PowerMax」、ソフトウェア定義型ストレージ「PowerFlex」の各製品に対して、今年第3四半期に新バージョンのソフトウェアを提供する。5月に米国で開催された年次イベント「Dell Technologies World」で発表されたもので、運用やセキュリティに関する新機能が追加されるほか、同じハードウェアでも性能アップを図れるケースがあるという。
ボリュームゾーンの製品であるPowerStoreでは、2回目のメジャーバージョンアップとなる「PowerStoreOS 3.0」を発表。同じハードウェアを使用して行った同社の社内試験では、読み取り/書き込みが混在するワークロードにおいて前のバージョンから最大50%の高速化が確認されたという。また、最大有効容量が拡張され、最も安価な機種である「PowerStore 500」でも、アプライアンス1台あたり4.7ペタバイト、4台のクラスター構成で最大18.8ペタバイトの大容量をサポートできるようになった。
また、新たな技術プレビューとして、オンプレミスのストレージ機能と同じソフトウェアをパブリッククラウド上で動作させる「Project Alpine」を発表。一時的に不足する容量をクラウド側で補ったり、オンプレミスのデータに対してパブリッククラウドの機能で分析をかけたりすることが容易になる。
オープンシステムとメインフレームの両方に対応するPowerMaxでは、クラウドベースの統合管理機能「CloudIQ」を活用し、外部からの攻撃やランサムウェアによるデータの改ざんなどを検知できるようになった。また、スナップショット機能を強化し、10分前の状態にリカバリーするといったように、サイバー攻撃やシステム障害の影響を最小限に抑えることが可能となっている。
藤森綾子 上席執行役員
同社でシステムズエンジニアリング統括本部長を務める藤森綾子・上席執行役員は、「ストレージには運用の一貫性、データの保護、場所を問わず必要なデータにアクセスするための可搬性が求められる」と述べ、新たに生まれる要件にソフトウェアの力によって対応し、製品の継続的な価値向上を図っていく方針を強調した。
(日高 彰)