米Figma(フィグマ)は7月27日、SaaS型デザイン共同編集プラットフォーム「Figma」の日本語版を発表した。すでに楽天やヤフー、LINE、富士通などの日本企業に利用されており、日本語対応によって日本市場でのさらなる普及を狙う。英語以外の言語でのローカライズは初めて。
米Figmaのディラン・フィールドCEO
Figmaは、アプリやWebサイトのデザインをエンド・ツー・エンドで制作できるプラットフォーム。一つのファイルをブラウザ上で複数のユーザーが同時編集できるほか、音声での会話や画面共有機能などのコミュニケーションツールを備える。多数のデザインを制作する場合、メニューバーなど各画面で共通する要素をコンポーネント化して一括で編集できる機能などがあり、デザイン業務の効率化につなげられる。画面の移り変わりなどのUIを確認できる「プロトタイプモード」なども搭載する。
これまで英語版しかなかったが、日本ではユーザーコミュニティが解説本を執筆したり、チュートリアルを作成したりするなど活気をみせている。同社のディラン・フィールドCEOは、日本市場への参入の理由を「日本のコミュニティの熱気に対し、責任を果たす」と説明。コミュニティを成長させていく取り組みも仕掛けていくとした。競合製品に対する優位性については「インターフェイスのデザインに特化している」と話した。
Figma Japanの川延浩彰社長
販売戦略としては、2022年3月に設立した日本法人Figma Japanの体制を22年末までに10人から20人へ拡大することを目標とし、販売・サポート体制を整えていく。Figma Japanの川延浩彰社長は「今後はパートナーの力を借りる領域も出てくると思う。パートナーとの協業については、オープンなスタンスを取りたいと思っている。お話をいただける場合は積極的にディスカッションをさせていただきたい」と語った。
価格はスタータープランが無料、プロフェッショナル版は1人あたり月額12ドル、中小企業向けのビジネス版は1人あたり45ドル、大企業向けのエンタープライズ版は1人あたり75ドル。川延社長は「(スタートアップから大企業まで)どういったお客様も、ユースケースに合わせて使っていただける」と述べた。(大畑直悠)