日立ソリューションズは8月31日、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の把握や予測、サプライヤーの評価など、五つの製品とサービスで企業の脱炭素をトータルで支援する「サプライチェーン脱炭素支援ソリューション」の販売を開始した。製造業を中心に拡販し、2027年度までに50社への導入と売上高16億円を目指す。
小沢康弘 部長
同社は、50年のカーボンニュートラル実現に向け、各企業が具体的な取り組みを求められている中での課題を分析した。小沢康弘・産業イノベーション事業部サプライチェーン本部第3部部長は「今後は、環境・社会・ガバナンス全体と、より大きなESG視点で世界をとらえ、その一部として気候変動問題に取り組むことが重要だ」と説明。温室効果ガス排出量が大きい製造業をメインターゲットとし、五つの製品サービスで、サプライチェーン全体の脱炭素を支援するとした。
新しいサービスとして、AIを活用し、製品当たりの二酸化炭素排出量を可視化する独Makersite(メーカーサイト)の製品の提供を始めた。これまで手動入力で工数がかかっていた製品構成の分析や環境影響の算出をAIによってを自動化するのが特徴。製品ごとに環境負荷を定量的に評価する「ライフサイクルアセスメント」がより重視されるとの見通しから、メーカーサイトの製品による高い効果が期待できるとして、国内初の販売代理店契約を結んだ。
また、サプライヤーの脱炭素評価システムとして、仏EcoVadis(エコバディス)の製品を新たに提供する。サプライヤー企業の約7割は非上場や中小企業で、脱炭素の取り組みが義務付けられていないが、バイヤー企業には全体の管理が求められる。エコバディスの製品は、サプライヤー企業による質問項目への回答を基に取り組みを分析し、改善策を提示する。
(堀 茜)