レノボ・エンタープライズ・ソリューションズは2月27日、アジア太平洋地域の企業を対象に生成AIの活用状況をまとめた調査結果を発表した。日本で2023年までに生成AIに投資を開始した企業は2%で、他国より低い割合だったが、24年は投資予定の企業が79%で、大幅に伸びるとの見通しが明らかになった。
生成AIへの投資状況は、韓国が33%、インドは28%など投資が進んでいる一方、日本は2%と低い水準だった。今後投資予定の企業の割合は、日本が79%と高く、組織にとってのAIの重要性を聞いた質問では、日本企業の41%が「ゲームチェンジャーになる」と回答し、ビジネス展開に必須であると考えていることが示された。
多田直哉 社長
日本企業は投資予定の割合が高い一方で、投資済みの割合がわずか2%という結果の受け止めについて、多田直哉社長は「非常に好機だとみている」と述べ、前向きに捉えているとした。これまで生成AIは、パブリッククラウドを活用した事例が中心だったが、「企業や政府などが活用する際は、データのセキュリティーが肝になる」と指摘。プライベートな環境で生成AIを活用することが需要の取り込みに必須になるとの考えを示した。
24年に先行的に生成AI導入が進む業界として、製造、小売り、ヘルスケアを挙げ、実証実験などの段階にある企業も出てきており、活用が進むとの見通しを示した。日本企業の生成AIへの投資を促進するポイントについて多田社長は「ビジネス上の事例づくりが重要になる」として「短期間で生成AIの価値を届けられるよう顧客を支援することで当社も大きく成長できる」と意欲を示した。
調査は、日本企業の150人以上のCIOを含む、アジア太平洋地域の900人以上のCIOを対象に実施し、ビジネスにおける生成AIの活用、課題などについて聞いた。
(堀 茜)