NTTデータグループは、2026年2月に京阪奈データセンター（DC、京都府）、27年3月に白井DC（千葉県）、28年度に栃木県にそれぞれ大型DCを開設する。京阪奈DCはIT電力容量30MW（メガワット）、白井DCは同50MWを計画しており、25年2月に土地の売買契約を結んだ段階の栃木DC（仮称）は同約100MWを想定している。いずれも発熱量が多い生成AI向けGPUサーバーを冷却できる水冷方式にも対応する予定だ。
 
　京阪奈DCと白井DCについては「すでに顧客がつきはじめている」（NTTデータの渋谷誉人・テクノロジーコンサルティング事業部統括部長）と、受注が順調に進んでいると話す。

　ユーザーの業態別に見ると、「消費電力ベースでは大手クラウド／SaaSベンダーなどのハイパースケーラーが多くを占め、社数ベースでは一般企業が多くを占める見込み」（同）という。

　ハイパースケーラーは生成AIの計算資源への投資を積極的に行っており、消費電力が大きいGPUサーバーを運用するケースが増える見通し。空冷だけでなく、水冷方式にも対応することでラックあたり100kW相当の熱を冷却できるようにする。

　一般企業ユーザーにおいても「白井DCや栃木DCが竣工する27～28年頃には自社でAI用の計算資源を所有するフェーズに差しかかるのではないか」（同）と、パブリッククラウドの利用に加え、プライベートでGPUサーバーを調達する需要が高まると予測。NTTデータではクラウド基盤のOracle Alloyを導入するなどしてユーザー企業の機密データを保護するソブリンクラウドのサービスを拡充し、ユーザー企業のプライベート需要に応えていく。

　NTTデータグループは首都圏から福岡にかけての太平洋ベルト地帯を中心に国内13カ所のDCを運営しており、新設の三つのDCが加わることで計16カ所体制になる見通し。
（安藤章司）