ウイングアーク1stは10月15日に記者会見を開き、BIツール「MotionBoard」の新バージョン「生成AI版」を、12月20日に市場投入すると発表した。自然言語で指示を出すだけでダッシュボードを自動生成できる。
価格は従来と同じ月額6万円(10ユーザー)からで、既存版からの移行も可能。まずクラウド版を提供し、2026年度までに500社への導入を目指す。オンプレミス版も今後展開する方針。正式リリースまではプレビュー版を提供する。
MotionBoardは、ノーコードでダッシュボードを構築できる点が特徴だが、機能が多く、操作には一定のスキルを要する。一方、生成AI版では新機能の「AIウィジェット」を使い、指示に応じてデータの取得や分析、可視化を自動で行う。テキストや画像などの非構造化データの構造化や、AIとの対話によりダッシュボードを修正することもできる。これにより、専門知識のない現場担当者もデータ活用や業務のデジタル化を自社内で進められるようになるという。
島澤 甲 CTO
取締役の島澤甲・執行役員CTOは、生成AIを業務に活用する際に、同一のデータとプロンプトで複数回指示を出しても、毎回AIの出力が異なり、再現性に課題があると指摘する。また、定型業務でも何かを生成するたびにトークンを消費し、コストが発生することに課題感を示す。
こうした課題への対応として、生成AI版は初回のダッシュボード構築時だけAIを使い、その後はMotionBoardが生成プログラムとデータを管理する仕組みとした。ダッシュボードを表示するごとにコストが発生することもない。
島澤CTOは「MotionBoardは可視化だけではない」と強調。営業日報を入力すると顧客管理表に情報が反映される入力フォームや、ドラッグアンドドロップで操作できるタスク管理ツールなど、業務アプリケーション開発にも使えると説明した。BIツールの枠を超え、「AI時代に求められる機能」として訴求する。
(南雲亮平)