アリババクラウド・ジャパンサービスは2029年までに、100社規模でSIerなどのパートナーの獲得を目指す。25年12月に国内4カ所目のデータセンター(DC)を開設し、AI推論環境を増強した。3月11日に記者説明会を開催し、栗田岳史・ジェネラルマネージャーが「AIをコモディティ化し、必要十分なパフォーマンスをコストエフェクティブなかたちで提供する」と説明した。
栗田岳史ジェネラルマネージャー
栗田ジェネラルマネージャーは新規パートナーの目標について「チャレンジングな数字」としつつ、「問い合わせも多く十分達成できる」と意気込んだ。AI系のSIerなどから引き合いがあるという。パートナー事例も紹介。2月に連携を発表したAIストームは、AIエージェントの「OpenClaw」をアリババクラウド上のプレインストール済みVMとして利用できるSaaSを提供する。
戦略の柱はAIアーキテクチャーと提供環境を備える「AI+Cloud」だ。オープンウェイトで多様な生成AIモデルについて、価格競争力とスケーラビリティーの高いインフラで展開する。6月には各種AIモデルをAPIで利用可能なプラットフォーム「Model Studio」の展開も予定する。
エンタープライズのR&Dに対応する。オンプレミス環境でLLMモデルの「Qwen」などで強化学習やファインチューニングを行い特化モデルを開発、社内外にデプロイする際にはアリババクラウド上に構築することで、大規模な推論に対応できるとした。クラウド環境を関東4カ所のDCに置いており、国内でのデータ保持やコンプライアンス対応も強調した。
エンタープライズではリテールや製造、ヘルスケアなどでのAI利用を想定する。短期的にはエンターテインメントやインターネット、Webメディアなどのデジタル関係の利用者がターゲットになるという。テクノロジーの動向把握に積極的で、同社が提供するマルチモーダルAIと親和性があるとする。
同社人員を29年までに2.5倍に拡大する計画も明かした。パートナー担当部門の増員に最も力を入れる。(春菜孝明)