GMOサイバーセキュリティbyイエラエはパートナー経由の販路を強化している。エンタープライズ向けに加えて中堅・中小企業へのデリバリーにも注力する上で、直接アプローチが難しい企業層に、ディストリビューター網を活用したい考えだ。上席執行役員CMO(最高管理責任者)の寺村亮一・サイバーセキュリティ事業本部長は、プロダクトだけでなくプロフェッショナルサービスにも強みがあると強調し、技術力を生かした価値提供を進める考えを示した。
(春菜孝明)
寺村亮一 CMO
同社は2011年に創業し、22年にGMOインターネットグループの子会社となった。主に(1)プロフェッショナルサービス(2)プロダクトサービス(3)システム開発―の3形態で事業を展開している。プロフェッショナルサービスはホワイトハッカーによるテストや診断を提供。プロダクトサービスはツール化した「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」などがある。
寺村CMOは経済産業省の「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」を引き合いに、中堅~中小企業へのアプローチも必要になると強調。間接販売をチャネルとする方針で、25年1月にSB C&Sと販売代理店契約を発表、ネットde診断を提供し始めた。8月にはマクニカと、セキュア開発プロセス構築に向けたコンサルティングなどでパートナーシップを結んだと公表した。
販路は直販と、「お名前.com」や「Value Domain」、GMOペイメントゲートウェイなどのグループサービス(会社)経由もある。エンタープライズを中心とした直販の割合が大きいものの、代理店経由の販売も伸長している。数年前から開拓に注力し、システム開発の中で同社の診断サービスやSOC、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)などを組み込むケースが増えているという。代理店が運用主体となる事例も出てきている。
今後もアライアンスを増やしていく方針だ。社内にはパートナー担当の部署を新設。パートナープログラムも段階的に導入する。販売実績だけではなく、市場開拓への貢献度を重視した仕組みを検討している。商談の創出や提案活動、技術体制などを総合的に評価するとともに、SOCサービスなどを中心としたMRR(Monthly Recurring Revenue、月額計上収益)といったストック型ビジネスを指標とする。
寺村CMOは、ホワイトハッカーが多数在籍することによる技術力に自信を示す。営業面ではリセラーの提案力を頼りにしており、「代理店が自信を持って売れる製品をつくっていきたい」と語った。
GMOインターネットグループではインターネット環境のセキュリティー事業を拡大している。グループ傘下の電子証明書や認証サービスがマーケットシェアを維持し、ホワイトハッカーを生かしたサイバーセキュリティー、なりすまし対策のブランドセキュリティーを含めて3本柱で構成。3~5年先の展望としてインターネットセキュリティーの「第一想起企業を目指す」と打ち出している。