アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパンは4月23日、パートナー向け年次イベント「AWS Partner Summit Tokyo 2026」を開催した。生成AIの活用を見据えたモダナイゼーションや移行をパートナーと推進する。パートナーセールス事業統括本部の池田恵美子・事業統括本部長は「イノベーションを加速するために乗り越えるべき技術的負債の解決が最優先の課題だ」と呼び掛けた。
(大畑直悠)
池田恵美子 本部長
具体的な戦略としては、移行支援AIツール「AWS Transform」や仕様駆動開発基盤「Kiro」を活用したAI駆動によるマイグレーションを推進する。特にAWS Transformを活用したVMware製品からのクラウドリフト/シフトに関心を寄せるパートナーは多いといい、パートナー自身が持つ移行ツールや、開発のノウハウと組み合わせた独自のオファリングの構築を支援するとした。また、移行の際のクラウド利用料を負担するプログラム「MAP」にAI駆動のモダナイゼーションのプランも用意した。
池田本部長はクラウドへの移行を阻む三つの課題として「クラウドのスキル不足」「スピードの遅さ」「顧客の意思決定の長期化」を挙げた上で、「経験が少ないから移行に時間がかかり、スピードが遅いから実績が積めない。実績がないから顧客も動きづらい。この悪循環こそが、マイグレーションを止めている本質的な原因」と指摘した。
解決にはAI駆動開発が有効だとみており、プロジェクト自体の高速化に加え、生成AIで作成したプロトタイプを提示した提案手法が取れるようになることで、顧客の意思決定の迅速化につながるとした。池田本部長は「1日も早く、1件でも多く、マイグレーション・ウィズ・AIをパートナーと進めたい。パートナーにとっても新しい専門領域となるだろう」と訴えた。
相田哲也 本部長
パートナーによる生成AIアプリケーションの構築の支援も加速する。生成AIアプリの開発基盤「Amazon Quick」と、AIエージェントの構築・運用基盤「Amazon Bedrock AgentCore」の利用をサポートするプログラムをそれぞれ用意し、ソリューションの市場展開もサポートする。パートナーアライアンス事業統括本部の相田哲也・事業統括本部長は「パートナーが持つ顧客との深い関係性や、顧客のビジネスプロセスへの深い理解を基に、変革を後押ししてほしい」と力を込めた。
このほか、「AWS Marketplace」経由でのビジネス拡大にも意欲を見せた。2025年に日本語化やインボイス制度に対応し、適格請求書の発行が可能になったことから、国内での利用も増えているという。特にAI関連機能の調達に注目する顧客は多く、相田本部長は「18カ月前に64位だったAIエージェント関連製品の検索が、現在には3位になった。AWS Marketplace上でAIエージェントをセルフサービスで調達することが当たり前になりつつある」と紹介した。