ラクスは6月15日、「楽楽クラウド」のAI戦略を発表し、2030年までの「完全自動化」を目指す方針を明らかにした。人とルールベースのシステム、AIが役割分担する「協働型AI」を起点に、最終的には人間の関与は指示、確認、承認だけで、業務フローが完結できるビジョンを描く。30年に向け、各製品で段階的にAI機能をリリースする計画だ。
AI戦略のロードマップについては、25~26年の「入力補助・部分自動化」、26~27年の「判断支援・確認業務の自動化」、27~29年の「協働型AIから、より高度な自動化へ」の3段階に整理した。SaaS内で利用するデータの作成・入力のサポートから、チェックや照合、レビューなど思考を伴う領域の実行を経て、人の手がほぼ介在しない状態まで拡大する。
本松慎一郎 取締役
確認や承認の部分が残る点について、取締役の本松慎一郎・CAIOは「人間がやるべき業務」であるとし、「それ以外をAIやルールベースが代行するのであれば、それは完全自動化と呼んで良い」と述べた。
一方で、AI活用には顧客固有の業務ルールへの対応や適切なデータ整備といった課題があり、ラクスは導入から定着まで一貫して支援する。本松CAIOは自社の強みの一つはカスタマーサクセスであるとし「この力をAIの導入支援でも展開することで、より多くの企業にAIを業務で活用していただける」と強調した。
6月16日には「楽楽精算」において、領収書の内容などから、AIエージェントが申請伝票を自動作成する機能の正式提供を開始した。今後は申請内容のレビューや証憑と伝票の照合、適格請求書かどうかの確認といったAI機能を随時追加する。ラクスはこれらの機能をオプションとして展開する考えで、顧客に新たな価値を提供するとともに、自社の成長ドライバーとしても期待を寄せている。
(藤岡 堯)