PwC Japanグループは6月10日、2026年春版の生成AIに関する6カ国比較の実態調査結果を公表した。日本企業の生成AI活用・推進度は87%に達し、米国などと大きく見劣りしない水準まで拡大。一方で期待を大きく上回る効果を創出する企業の割合は6カ国で最も低く、活用の先の効果創出や成果還元を実現することが課題となっているとした。
各国の生成AIへの意識では、日本は生成AIによるビジネス消失の危機感を強める一方、韓国や米国はそれ以上に「根本変革チャンス」の認識を強めていた。また、日本においては生成AIで得た効果を従業員・顧客への財務的還元につなげた割合は40%、AIエージェントを「導入済み・導入を進めている」の割合は33%、フィジカルAIの導入についても「導入済み・導入を進めている」のは19%で、いずれも6カ国の中で最も低かった。
PwCコンサルティング
塩原翔太 マネージャー
インサイトを紹介したPwCコンサルティングの塩原翔太・マネージャーは、期待を超える効果創出の分岐点は日米共通で、生成AIを既存業務の効率化にとどめるか、事業変革の中核に据えるかにあると指摘。事業変革の実行には、AIを業務や事業に使えるようにするための備え(AI Readiness)の強化が必要だとした。
PwCコンサルティング
三善心平 執行役員
また6カ国共通で、期待を大きく上回る層では「利用モデルが三つ以上」の割合が最も高く、日本は期待未満の層で「利用モデルが一つ」が53%を占める一方、期待を大きく上回る層では「三つ以上」が49%だった。同社の三善心平・執行役員パートナーは、「LLMモデルにはそれぞれ得手と不得手がある。一つしか使えない状況では、業務で毎日使う段階になっても高性能なモデルを使い続け、コストだけがかさむことになる」とも指摘。AI利用によるKPIを設定し、効果を検証する必要性も強調した。
(下澤 悠)