富士ソフトは7月16日、▽フィジカルAI▽ビジネスAI▽エンジニアリングAI―の注力3分野を軸としたAI戦略を発表した。同社が強みとする組み込みソフトやOTの技術を生かしてフィジカルAIの実装力を高めるとともに、ビジネスAIでは複数のAIエージェントを駆使して業務を自動化、エンジニアリングAIではレガシーシステムを刷新し、AIが活用可能なデータ基盤を整備するといったビジネスを想定する。
室岡光浩社長
フィジカルAIでは、産業用ロボットとAIを組み合わせ、「状況を認識し、自律的に動くロボットのシステム開発」(室岡光浩社長)に取り組み、同社のスマートファクトリー分野における新たなオファリングとして、サービスメニューを整備する。ビジネスAIでは、例えば同社が強みとする業種である小売店舗やネット通販で、AIが店員に代わって商品を検索・比較し、購入までを顧客に提案するエージェンティックコマースの普及促進に取り組む。
エンジニアリングAIでは、レガシーシステムの刷新をAIで支援しつつ、基幹業務システムのデータをAIエージェントが活用できるようデータ基盤を整備するフレームワークの開発を推進していく。
AI戦略を実行するに当たって、AIで何をつくるのかを決める「プロダクトオーナー」や、どうつくるかを決める「AIアーキテクト」、複数のAIエージェントを統括指揮する「AIオーケストレーター」、AIの誤りを見逃さない「品質・ガバナンス統括者」など、AIの専門知識をもったSEの育成に注力する。早い段階で同社の1万人を超えるSE全員に「何らかのAI専門知識を身につけてもらう」(同)方針だ。
また、同社ではすべてのオファリングにAI技術を組み込んでいく準備を進めている。直近のビジネスは従来型の受託開発や個別SIの比率が高く、現在、オファリング関連売上高は全売上高の2割弱にとどまっている。AIを組み込んでいくことで市場競争力を高め、早い段階で売上高の3~4割をオファリングで構成するビジネスモデルへの転換を目指す。(安藤章司)