VAIOは8月10日、PC内蔵のカメラを用いて血管や心拍の情報を測定できるアプリケーション「VAIO ウェルネスケア」の先行プレビュー版をリリースした。PCユーザーが身体の状態変化に自分で気づける用にする。対象は個人向けモデル「VAIO SX14-R(VJS4R2シリーズ)」と今後発売する機種で、先行プレビュー版はダウンロード提供する。今秋以降、正式版を個人・法人向けの新製品に順次搭載する予定だ。
「VAIO ウェルネスケア」の測定中画面
PCに特別な外部デバイスを装着する必要はなく、3~15秒で測定が完了する。測定結果は自動でPC内に記録され、週単位の推移をグラフで確認できる。診断や治療といった医療目的には対応しないが、単なる測定ツールではなく、日常の小さな体調変化に気づくきっかけを提供する、生活・業務環境改善ツールとしての活用を想定している。
週単位で確認できる測定結果の推移
顔認識AI処理をNPU、カメラ制御や画像・データ処理をCPUが担当する分散処理によって、高速な測定を実現した。PC内蔵カメラを通常のWebカメラとして利用している時は画質補正機能が動作するが、測定時のみカメラ設定を切り替えることで、Webカメラとしての画質と測定精度の両立を可能にしている。
開発本部プロダクトセンターの鈴木一也・担当部長は、開発の背景について「法人市場では健康経営への関心が高まっている」と説明する。一方、リモートワークや一人暮らしの増加によって体調の変化に気づきにくい状況が続いているほか、体の状態を計測するウェアラブル端末は充電や装着といった手間が普及・定着の障壁となっているため、健康状態を継続的に把握することが難しいという課題があった。そこで、「毎日使うPCであれば、ユーザーに寄り添う接点になれる」と考え、開発に着手したという。利用継続を支援するため、PC起動時やユーザーが設定した時刻に自動起動する機能も備えている。
鈴木一也
担当部長
このアプリケーションの開発プロジェクトは、2025年のVAIOのノジマグループ入りを機に、ノジマからの提案で始動した。VAIOでは、失敗を恐れず挑戦する姿勢を掲げる新体制のもと、高い信頼性を維持しながらも、新たな価値や驚きを提供する体験の創出に取り組んでいるとしており、VAIOブランドの進化を象徴する施策の一つとして位置付ける。
正式版のリリース後は、クラウドを活用した管理機能や、PC自体の状態も診断する「ダブルヘルス」の展開を構想している。法人向けの有償ソリューションとして提供することも視野に入れながら、ユーザーをより深く理解し、先回りして支援するエッジデバイスへの進化を目指している。