変わるかシステム入札

<変わるかシステム入札 第二章>民間事業者への不信感根強く

2002/11/25 16:18

週刊BCN 2002年11月25日vol.967掲載

 電子商取引推進協議会(ECOM、張富士夫会長=トヨタ自動車社長)と三菱総合研究所(谷野剛社長)が共同で調査、発表した「電子自治体構築におけるアウトソーシング活用の実態調査」では、電子調達・入札システムについては都道府県でも運用中は5%、市町村となると0.5%にしか過ぎない。オープンとなることが期待されている電子入札だが、利用浸透までの道のりはいまだ遠いようだ。  また、都道府県、市町村側ではアウトソーシングという形態で外部業者を利用することについて、「特定業者の言いなりになり、不当に高い料金を支払わなければならない」と、外部業者を利用することができない実状も浮き彫りとなった。

ECOM調査に見る電子自治体進展度合い(下)

 ITベンダーや業者から「新規参入がしにくい」との声が依然根強い日本の電子自治体システムだが、都道府県、市町村側にとってもIT業者との信頼関係が十分に築かれているとはいえないようだ。

 今回の調査で出た意見、要望として、まずアウトソーシングという仕組みそのものについて、「一時的な効果は得られるが、一定期間が経過した後、民間事業者にイニシアチブをとられてしまう気がする。アウトソーシング推進には、自治体職員のITスキルのレベルアップが必要。今のまま業務委託感覚で行うアウトソーシングは危険」(A町)と、一方的にアウトソーシングを拡大することの危険性を訴える意見が少なくない。

 現在、民間企業でもアウトソーシング活用が進められているが、その場合もイニシアチブは企業側がとることは大前提。

 だが、自治体側はアウトソーシングを拡大することに危機感を抱く。

 これは、「地方の市町村は職員の情報リテラシーが低いため、特定業者の言いなりに不当に高い金額を支払うケースもある」(B町)と、業者と自治体が良好な関係を築けていないことがベースとなっている。

 とくに料金に対する不信感は根強いようで、「(アウトソーシングを行う際の)委託金額の積算根拠がわからないので予算の説明に困ることが多い」(M町)、「価格設定が高すぎる。各社ともリーズナブルといった意識は全く感じられない」(O町)と、厳しい意見がほとんどだ。

 自治体システムにおける大きな問題として指摘されてきた、一度契約が結ばれると見直しがされないまま契約が継続され、新規参入がしにくいという点についても、「不満があっても、途中で更新することは難しい」(N町)のが自治体側の正直な実態だという。

 自治体側からは、「事業者を判断する機関や事業者があってもよいのでは」との声もあがる。民間事業者側には自治体と関係を改善する努力が必要だといえるだろう。(三浦優子)
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