数字で見る中小企業のIT天気図

<数字で見る中小企業のIT天気図>8 導入は「IT部門が推進、経営者が決定」

2002/12/23 16:04

週刊BCN 2002年12月23日vol.971掲載

 中堅・中小企業のIT導入プロセス、つまり購入の流れはどうなっているか。大勢は「お金は経営者で、推進はIT部門で」の流れが鮮明となっている。「IT部門が導入を推進し、最終決定は経営者・役員」という企業が65.4%にも達する。一方、「導入推進も経営者主導で」という企業は6.6%にすぎない。

 経営者がIT推進に関わるウエートは、2001年に比較すると激減し(6.6%、11.4ポイント減)、「IT部門が導入推進、決定が経営者」のパターンが急増(65.4%、21.9ポイント増)した。経営層のIT導入推進の関与率は1年間で大きく低下しているのがわかる。

 逆に言えば、中堅・中小企業におけるIT専門部署の設置や体制作りが幅広く進んでいるといえる。役割も経営者とIT専任スタッフに明確に分化している。ただし、年商が低い企業ほど、経営層がIT推進に関わる割合は高い。つまりトップダウン傾向が強い。中堅・中小企業を攻略するには、単にトップだけやIT専門部署だけを狙うのではなく、規模や業種特性をみて「経営とIT部門」の両者を見据えた営業アプローチ(例えばセミナー活動の効果を高めるためにも)が必要となるだろう。(ノークリサーチ 伊嶋謙二)
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