数字で見る中小企業のIT天気図

<数字で見る中小企業のIT天気図>9 ITに期待するものは「経営に役立つ」

2003/01/06 16:04

週刊BCN 2003年01月06日vol.972掲載

 現状のITに何を期待しているのか。中堅・中小企業の多くは、直接経営や営業などに結びつくITとして活用したいという現実的な要求が明確化してきている。「経営の意思決定に役立つシステムにしたい」が37.7%、「基幹業務系を統合化・データを一元化したい」が35.1%、「直接販売・営業に役立つシステムにしたい」が30.6%という結果になった。企業は「基幹業務の統合化」を実現しさらに一歩踏み込んだ「経営の意思決定に役立つシステム」の構築を考え始めた。ネットワークや情報共有のインフラ構築という局面から、現在は次のステップに踏み出している。

 現在の経済環境からみても、先行投資的な導入や、OA的な省資源、経費削減的な活用というより、「企業経営の戦略ツール」であり「経営上の問題解決ツール」としてITシステムの戦略的利用が求められるはずである。ますますITへ求められる現実的な要求が厳しさを増している。

 2001年調査との比較においても、「イントラネットの構築」などのインフラ系への期待は大きくウェイトを下げ、「経営の意思決定に役立つ」というITへの期待が10ポイント以上向上している。同様にCRMなどの顧客情報を活用したITへの期待も高まっているのは当然の流れだ。(ノークリサーチ 伊嶋謙二)
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