大航海時代

<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第92話 カップルについて

2003/07/28 16:18

週刊BCN 2003年07月28日vol.1000掲載

水野博之 コナミ取締役

 国立劇場のまわりにはいろんなレストランが林立している。観劇の前後に食事を、というのは欧米ではありふれたことだが、日本でもだんだんこの風潮が一般化してきたようだ。その一軒をのぞくと、如何にも観劇にきたと思われるカップルで一杯だ。カップル以外は女性のグループである。ツアーではないのだろうがレストランの一角をにぎわせている。中年の人達が多い。美事なドレスを着て、それぞれに華を競っているように拝見する。 男性のグループは皆無である。そういえば、かかる文化的事業に男性がグループを組んで乗りこんでくるというのは見聞オない。グループは女性独占である。はて、男性どもは何処に居るのか?残業をしているか、居酒屋で上司の悪口を言っているのか、はたまたマージャンか。何れもこの不景気にありそうもない話で、どうも男達の居所は不明である。かくして、女性はいよいよ教養豊かに、男性はいよいよくたびれて、行方も見えず、ということになる。

 さて、「カップルについて」である。女性グループは流石ににぎやかなだけあって窓際に追いやられ、我が前後左右の席はカップルである。生来野次馬の我が家人は次ぎのような言を吐いた。「ねえ、見てごらん。2人で黙って
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