“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>31.住商情報システム

2003/12/01 20:43

週刊BCN 2003年12月01日vol.1017掲載

 住商情報システム(中川惠史社長)が、J2EEへのシフトを鮮明にしている。J2EEは業務システム向けのJavaプラットフォーム。同社では、2004年5月以降、順次J2EE対応の新型業務システムの販売を始める計画だ。

J2EE準拠に照準

 現在、開発を進めているのは、次世代型ERP(基幹業務システム)の「プロアクティブ」シリーズで、J2EEに準拠した仕様になる。現行製品では、主にオラクル(オラクルEBS)のプラットフォーム上で開発していたが、次世代版のプロアクティブはJ2EEプラットフォームに準拠させる。

 その理由について、河野彰・エンタープライズ・ソリューション事業部・事業部長補佐は、「Linux、UNIX、ウィンドウズなど、あらゆる動作環境への対応を意識して開発環境を選ぶとJavaしか選択肢がなかったから」だと話す。また、次世代版プロアクティブの開発では、基幹業務システムのインターネット対応を重視。Javaがインターネット上の他のアプリケーションと連携しやすい点も大きな要因だった。

 同社は、自社開発の業務システムとして、93年に初代プロアクティブを発売した。その後、99年に国際会計基準の導入に合わせて、大幅に機能を拡張している。

 次世代「プロアクティブ」は、複数のグループ会社の基幹システムをインターネットを介して連携させることを重視する。一方、現行の「プロアクティブ」は、インターネット対応をそれほど必要としない顧客に向けて販売する。販売対象になる顧客層が違うので、来年4月からは、同社の営業体制を次世代製品と現行製品の2つの担当に分ける。

 パートナー販社に対しては、来年4月以降、新製品分については別契約とし、契約を結んだパートナーには専任の営業担当者を充てて販売を支援していく。また、次世代「プロアクティブ」には、自社開発の新型開発基盤ツール「ビクトリード」を同梱し、パートナー販社向けに、この開発ツールの活用するための技術支援にも力を入れる。

 現行のプロアクティブシリーズは今年度上期末(03年9月末)時点で、累計納入社数が2600社あまりに達した。このうちパートナー販社経由で販売した件数は、全体の6割強。次世代「プロアクティブ」については、来年5月以降、順次、品揃えの強化を図り、発売後3年間で1000社に納入する計画。(安藤章司)
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