China 2004→2008

<China 2004→2008>12.中国メーカーの正念場

2004/07/26 16:18

週刊BCN 2004年07月26日vol.1049掲載

 2008年で5億人のユーザー。しかも、日本と同じように多機能なマルチメディア端末を求めるユーザーが少なくない。これが前号で述べた中国の携帯電話市場の未来図だ。当然、この“果実”を狙っての激しい競争がある。実際、数年前まで中国で見かける携帯電話のほとんどはノキア(フィンランド)か米モトローラの製品だったが(00年以前は2社でシェア7割)、現在では様々なメーカー製品を見かける。中国では通信サービスと端末販売が切り離され、オープンな市場が形成されている。そのため、国内外20社ほどの端末メーカーが入り乱れる。03年に中国で発売された携帯電話は500製品にも達し、百花繚乱の状態だ。(坂口正憲(ジャーナリスト))

 ノキアやモトローラ、韓国サムスンなど世界メーカーからすると、中国市場でシェアを確保できなければ世界市場での覇権があり得なくなっている。一方、中国の国内IT産業(ハード系)にとっても、携帯電話は本格成長に不可欠な分野。多機能で高品質な製品を供給する技術力、消費者ニーズへ迅速に対応、製品を普及させていくマーケティング力など、メーカーとしての総合力が問われるからだ。そして中国メーカーはこの分野で着実に力をつけている。99年に5%ほどしかなかった国産ブランドのシェアは現在、60%近くに達していると見られる。その急先鋒が寧波波導(バード)やTCL集団といった電子機器メーカー。特にバードは中国最大の通信機器メーカー、中国普天信息産業の子会社であり、03年からモトローラを抜きシェアトップに躍り出ている。

 中国メーカーは本来、国内に張り巡らせた販売網を持つ点で外資系に比べて優位だ。そこへ基本品質を向上させた製品を低価格で投入。さらに、デザイン性や保守サービスなどの付加価値も重視し、徐々にユーザーの支持をつかんできた。携帯電話は中国IT産業の柱の1つに育った。ただ、このまま中国メーカーが高いシェアを確保できる保証はどこにもない。消費者の指向が変化しており、製品の開発・生産に求められる技術力もどんどん高水準となっている。次号で述べる第3世代携帯電話サービスが始まると、また“外資優位”の振り出しに戻る可能性もある。
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