コンテンツビジネス新潮流

<コンテンツビジネス新潮流>13(最終回).日本のネットゲームが世界を席捲する日

2005/01/31 16:18

週刊BCN 2005年01月31日vol.1074掲載

 常時接続のブロードバンド環境を背景に、ゲーム業界ではネットゲームがトレンドになりつつある。ネットゲームとは、インターネットを介して接続されたコンピュータ上で、複数のプレイヤーが同時に参加できるゲームのことである。(久保田 裕 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)専務理事)

 「2004 CESAゲーム白書」によると、コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が東京ゲームショウ2003の来場者に行ったアンケートに、自宅でのネットゲームの利用について「継続的にしている」と回答したのは16.9%、「ときどき」が10.2%で合計27.1%がネットゲームを行っており、過去利用者を含めると39.4%になる。今や大手ゲームソフトメーカーのほとんどがネットゲームを手がけており、専業メーカーも現れている。

 ネットゲームには様々な種類のものがあるが、プレイヤーが操る分身とも言うべきキャラクターが、ゲーム内で他のプレイヤーのキャラクターと関わり合いながら冒険するようなものも多い。しかし、このようなネットゲームでは、実社会と同様のトラブルが起こっている。

 例えば、ゲーム内でのみ使える通貨やアイテムを詐欺的行為によって入手する悪意のプレイヤーが存在する。

 今後、ゲーム用通貨やアイテムを入手するために「恐喝」や「窃盗」に類似の違法行為も起こるだろう。あるいは、特定のプレイヤーのキャラクターに対して侮蔑するなど名誉棄損的な行為もあり得るし、さらには特定のキャラクターにつきまとうストーカー的行為も起こりうる。ゲーム内の当事者間のトラブルだけでなく、第3者のロゴマークなどを使う商標権侵害も起こっている。

 しかし、こうした問題があるからと言ってネットゲームが良くないとは思わない。むしろ、こうした問題を前向きにクリアしていくことで、新しいビジネスになり市場が大きくなると期待している。

 すでに、ゲーム用の通貨やアイテムを現実の金銭で取引する、いわゆるリアルマネートレードを仲介する事業者も誕生しているのである。

 ブロードバンドが早く普及した韓国に比べ、日本は遅れていると言われてきた。しかし、日本のゲームソフトはすでに世界中で評価されてきており、私は、近く日本のネットゲームが世界を席捲するものと信じている。

 さて、この連載は今回が最終回である。コンテンツビジネスはまだまだ発展途上である。1年経てばまた状況が変わっていることもあるだろう。機会があればまた筆を執りたいと思う。
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