e-Japanのあした 2005

<e-Japanのあした 2005>58.自動車保有手続きOSS(上)

2005/10/31 16:18

週刊BCN 2005年10月31日vol.1111掲載

 行政手続きのなかで、商業や不動産の登記手続き、国税申告などに次いで申請件数の多い自動車保有関係手続きの電子申請ワンストップサービス(OSS)が、12月26日に東京都、神奈川県、愛知県、大阪府の4都府県からスタートする。当初は新車の新規検査登録(型式指定の登録車)を対象にサービスを開始して、順次全国へと展開。政府は、ポスターやチラシ、バナー広告などでPR活動を展開しながら普及をめざす考えだ。(ジャーナリスト 千葉利宏)

 国内の新車登録台数は2004年で396万台、中古車は525万台、年間に900万件以上の登録手続きが行われている。新車購入時にほとんどの消費者は保有関係手続きを自動車ディーラーなどに委託しているため、紙での手続きの煩雑さを実感しにくいが、大まかな流れはこうなる。所轄の警察署で自動車保管場所証明審査を受け、証明書と保管場所標章を受け取る。国土交通省運輸支局などで、自動車保管場所証明書と自動車重量税納付書、自動車メーカーが発行する「完成検査終了証」、「譲渡証明書」、自動車ディーラーが発行する「譲渡証明書」、損保会社が発行する「自賠責証明書」を添えて登録申請を行う。県税事務所で自動車二税を納付。運輸支局で登録番号標(ナンバープレート)を受け取る。

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 今回の電子申請のOSS化は、それぞれの申請手続きをすべて電子化したうえで、1回の電子申請で保有手続きを完了できる仕組みを構築することをめざした。そのために警察署-運輸支局-県税事務所と異なる役所の間でデータの受け渡しを実現するだけでなく、自動車メーカー、ディーラー、損保会社などの民間も巻き込んで、手続きに必要な完成検査終了証、譲渡証明書や自賠責証明書の電子化も行ったのが大きな特徴だ。

 個人が自動車ディーラーから新車を購入して電子申請を行うケースを考えてみる。ディーラーの多くは損保代理店も兼ねており、自動車購入時に車の代金と自賠責保険の保険料などを支払って契約を済ませると、完成検査終了証、自賠責証明書など証明書は民間側の情報処理機関に電子データとして蓄積され、官側と連携できる仕組みが構築された。これによって申請者が、完成検査終了証などの添付書類を自ら用意しなくても済むようになった。

 電子申請の手順は、図に示すように、まずインターネットでOSSセンターのホームページにアクセスしてガイダンスに従いながら、申請データを作成。本人確認のために公的個人認証などの電子証明書を添付して申請データを送信すると、すぐに受付結果と検査登録手数料などの納付額が通知されてくる。インターネットバンキングのペイジー電子納付サービスを使って電子決済すると、あとは自動的に手続き処理が進んでいく。検査が終了すると、申請結果と自動車二税などの納付額が通知され、再びペイジーで電子決済すれば、最後にナンバープレートなどを運輸支局から受け取って手続きが完了する。

 ただ、新車購入者のほとんどが保有手続きをディーラーなどに委託している現状では、OSS化されても購入者本人の電子申請が大きく増えるとは考えにくい。「購入者の電子証明書を添付した電子委任状があれば、電子申請の代行手続きも可能な仕組みとした」(国土交通省自動車交通局技術安全部管理課)。次回は、自動車業界や損保業界など民間側が、OSSに向けて、どのような対応を進めているのかを紹介する。
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