未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>50.アート

2005/10/31 20:43

週刊BCN 2005年10月31日vol.1111掲載

入退室管理システムに強み

 アート(駒形松雄社長)は、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた入退室管理システムの開発・販売を手がけている。ハードとソフトの両方を自社開発し、1つのシステムとして一括提供。運用・保守サービスまで一貫して提供できる事業体制が大きな強みとなっている。情報セキュリティニーズの高まりから、バイオメトリクス(生体認証)装置などを活用した入退室管理システムを手がける会社は増えてきたが、ソフトとハードの両分野を自社開発する企業はまれだ。

 生体認証や非接触型ICカードなど、さまざまな認証技術を用いた商品を持ち、最近では、Felica(フェリカ)搭載携帯電話と顔認証装置を組み合わせた入退室管理システムを開発した。

 ハードの製造部分の一部は外注先を利用することもあるが、「ソフトのコア部分については自社開発を徹底させている」(青山尚弘・執行役員営業本部副本部長本社営業部長兼システムエンジニアリング部長)。

 入退室管理システムは、入退室のログ(情報の記録)を情報システムで管理するなど、情報システムとの連携が重要で、システムのなかでソフトが果たす役割が大きい。このため同社は、大切なハードの設計技術とともに、ソフト開発も重要な技術と捉えている。入退室のログをパソコン上で管理するソフトを自社開発しているのもそのためだ。

 入退室管理システムの市場は、従来は不審者の侵入防止や金品の盗難を防ぐために導入されるケースが大半だった。だが、今は情報資産の重要性と情報漏えい対策の観点からも関心を集め、「年率約25%の成長が見込め現段階でも300-400億円のマーケットに成長している」(青山執行役員)有望市場だという。

 アートは、強まるニーズのなか、新規顧客を獲得するため、今年度(2005年10月期)スタート時に「システムエンジニアリング部」という専門部署を設置した。コンピュータメーカーやシステムインテグレータ(SI)、ネットワークインテグレータ(NI)とのアライアンスを進める組織で、情報セキュリティビジネスのなかで入退室管理を重要なソリューションと捉えるITベンダーが増えているのに呼応した。

 すでにネットマークスとのアライアンスで、パソコンのログイン/ログアウトと入退室管理を1枚のカードで行えるシステムを共同開発。キヤノン販売とともに共同ソリューションを開発中だ。

 ハードだけでなく、ソフトも自社開発にこだわり続けることで蓄積した技術を武器に、ITベンダーとのアライアンスでビジネスの拡大を狙う。(木村剛士)
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