未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>99.クルーク

2006/10/30 20:44

週刊BCN 2006年10月30日vol.1160掲載

瞬時にウェブ生成するサービス

 クルーク(片桐孝憲社長)はウェブのシステム開発やサービスを手がけている。従業員の平均年齢が20代前半の若いネットベンチャー企業だ。

 同社の主力サービスである「crooc(クルーク)」は、文章を書いて投稿するだけで瞬時にURLを発行し、ウェブページが生成できる。ブログでいう1エントリーを切り取って1ページのウェブページにしたものだ。記事や、画像を1枚投稿するだけなら会員登録は不要。無償でページを生成でき、会員登録すれば、URLの末尾をユーザー自身が決めることができ、5MBまでの画像ファイルやMP3形式の音楽ファイルなどもアップできる。考案からサービス開始まで2週間しか要しなかったというが、今年4月のサービス開始から「2000ユーザーに達している」ほどの盛況ぶりだ。

 クルークという社名は片桐社長が好きな小説「アキハバラ@DEEP」に出てくる検索エンジン「CROOK」からきている。

 「例えばYahoo!のように、『O(オー)が2つ付くサービスが流行る』という話が小説のなかにある。その検索エンジン『CROOK』をもじって『crooc』にした」のがサービス名であり、社名の由来だ。

 croocを立ち上げたことで知名度が高まり、他のビジネスにも相乗効果が出た。ウェブ制作の受注も増え、徐々にビジネスが軌道に乗り始めた。croocがビジネス拡大の起爆剤となったのだ。

 今年9月にはブラウザベースのワープロ「crooc TYPE(タイプ)」のβ版をリリースした。ブラウザさえあれば、PCにワープロソフトをインストールしなくても、文書の作成や保存、文書の共有が可能だ。文書はHTML、ワード、リッチテキスト、オープンオフィスの形式で保存できる。また、管理面では最近1か月間に作成、編集した文書をリスト表示。タグ付けすることで文書の分類を可能にした。

 「企業のイントラネットで使用したいという話があったが、サーバーが複数台必要なことと、カスタマイズが必要なこと」から現在はβ版だけの提供にとどまっている。

 今年度(2007年6月期)売上高は約1億円を見込む。まだ売り上げのすべてがウェブ制作の受注。「利益の増大が当面の目的ではない」が、いずれは受注から自社サービスの拡大に注力したいと意気込む。「croocもタイプも腕試し的なもの」。蓄積したウェブアプリケーションのノウハウを使って、今年末には「世界初のサービスをリリースする」と自信を示している。(鍋島蓉子)
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