年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 SRAホールディングス

2009/01/05 20:37

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

転禍偽福

鹿島亨 社長


 「禍転じて福と為す」。禍をうまく処理して福を得られるようにすることが今年は求められる。

 昨年度(2008年3月期)まで進めた3か年中期経営計画では、営業利益率向上に向けて売上高の拡大と、販管費削減に力を注ぎ、営業利益率は計画よりも1・1ポイント上乗せした9.1%まで引き上げることができた。このポイントはまだ引き上げられる。08年度から進めているのが粗利益率の向上。つまり、売上高をさらに伸ばし、売上原価をできる限り引き下げることだ。

 売り上げを伸ばすには、自社プロダクトの品揃え強化と、営業活動の見える化による効率化、顧客とのパイプ強化を推進する。ビジネス機会を創造するためのマーケティングも従来に比べ重視する。

 一方、売上原価の低減では、まず低採算プロジェクトを撲滅する。前中計の期間中に、“よれプロジェクト”不採算案件の撲滅は果たしており、赤字案件が発生する危険性はなくなった。しかし、利益率が低いプロジェクトがまだ残っている。これをどうやって防ぐかを考える必要がある。また、オフショア開発をもっと活用する必要もある。従来使っていたインド子会社に加え、下期からは中国の協力会社との提携で、中国人開発者も活用する。中国は400人月が目標だ。インドもさらに発注人月を増やすつもりで、売上原価を下げる大きな要素になるだろう。

 景気後退は不安要素だが、すでに戦略は立てている。
  • 1