実践・成長の年

日本情報通信（NI+C） 野村雅行 社長

　NTTと日本IBMの折半出資の当社は、2009年、親会社と当社の強みを存分に生かしたビジネスの布石を打つことができたと自負している。09年8月には、NTTコミュニケーションズのSaaS基盤と、IBM全プラットフォームをサポートする当社の基盤構築技術と連携。クラウド・コンピューティング型の文書管理やソフト開発環境提供サービスなどのスタートにこぎ着けた。クラウドの基盤部分は、IBM独自サーバーのPower SystemsとIBMの仮想化ミドルウェアを組み合わせたメニューを揃えており、これにNTTグループの通信やSaaS基盤を連携させることで、他社にはない強みを打ち出す。

　キーワードの「実践・成長の年」には、こうした基盤を活用したビジネスモデルの構築を実践し、成長を持続させるという意味を込めた。もともと当社は、企業間の受発注情報などをやりとりする基盤系サービスのEDI（電子データ交換）に強みをもつ。クラウドも基盤系のサービスであり、当社のアドバンテージを生かせる分野である。

　また、当社はIBM製品を全国の販売パートナー約200社に卸売りする付加価値ディストリビューション（VAD）事業を手がけている。VADはさまざまな商材を組み合わせて付加価値を高める方式だ。クラウド系のサービスと連携させるなどして、VADパートナーのビジネスを支援する。ITアーキテクチャの変遷を大きなチャンスと捉え、ビジネスを着実に伸ばしていきたい。