「リア充爆発しろ!!」「ふわふわどうぶつあつめ」「鵜のきもち」「真竹取物語」。この四つはスマートフォンアプリのタイトルであるが、なんと高校生が1か月の研修で創出した成果である。

　ソフトピアでは、県内の高校で情報科コースをもつ岐阜各務野高校と大垣商業高校の2校から20人程度の生徒を募って、「アプリ開発オータムキャンプ」を開催した。このイベントは、最初に2日間の合宿をして、アプリ開発に必要なプログラミングとデザインについて最低限の知識を学習してもらい、その後、両校の混合チームを四つ結成して、残りの1か月でアイデア出しから企画制作まで、合間に秋の試験期間があるにもかかわらず、放課後の時間を活用してアプリ開発に頑張るという過酷なものであった。

　イベント参加者の半数が女子高生で、しかも4チームそれぞれの全員をまとめるリーダー役が女子高生だったのは驚きである。女子高生が活発に先導し、男子はチームの支えになって黙々とプログラミングに専念するといった具合で、そこでの女子と男子の分担に、これが今の高校生のチームづくりなのかと納得した。アプリのデザインはイラスト上手な女子高生が担当し、実にプロ並みの実力を示していた。上記のタイトル案についても、女子高生たちの本音が爆発したコンテンツになっており、大人世界のアプリ開発での男性優位とは対照的で、新鮮な発見であった。

　とはいえ、短期間でここまでの成果を上げるには、生徒たちを支援する大人側の体制づくりも大切で、それを担当したのがソフトピアのベンチャー企業で、スマートフォンアプリ開発のプロである相澤謙一郎さんである。最終プレゼンの1週間前には学校に乗り込んで、放課後に4チームの成果を徹底的に支援してもらうことになった。プロと一緒に学びながら、それでも自分たちの自主性を最大限に生かしてプロジェクトを進め、一定期間内にしっかりと成果を出すこと──それがいかに至難の業であるか、「かわいいオタク」の高校生たちは強く実感したことだろう。

　最終プレゼンの日は生徒たちの両親も見学に来るなど、盛況なイベントになり、4チームのプレゼンに会場が沸いた。好きなことを素直に伸ばして成果にする、こんな課外授業こそ今の教育現場に求められていると確信した。