福岡市に本社を置くイデックスビジネスサービスは、ビジネスフォンやPBX(構内交換機)などの通信ネットワークを手がけてきた強みを生かし、Web会議の「Zoom」やインターネット電話、クラウドPBXによる働き方改革、業務効率化のビジネスを伸ばしている。コロナ禍をきっかけに九州地区で初のZoom正規代理店となり、地元の中堅・中小企業ユーザー向けにリモートワークやハイブリッドワークの導入を支援するとともに、複合機を活用したペーパーレス支援、オフィスを丸ごと刷新するリノベーション事業といったビジネスの多角化にも積極的に取り組んでいる。
(取材・文/安藤章司)
多角的に事業を展開
――どのような事業を手がけているのか。
当社はガソリンスタンドなどを経営する新出光と、フォーバルの合弁会社として1997年に発足した。通信自由化の流れを受け、ITCの知見を持つフォーバルと地元資本の新出光が協業し、通信に強いNIerとして九州地区の法人顧客に向けて通信回線やビジネスフォン、PBX、複合機といったオフィス向けITC商材を軸として成長してきた会社だ。2008年に新出光100%子会社となって以降も事業の多角化を進め、直近ではオフィス改装のリノベーション事業、文房具のアスクル事業など幅広く手がけている。
――直近で力を入れている事業は何か。
Web会議のZoomを活用した働き方改革ビジネスに力を入れている。コロナ禍で在宅勤務が余儀なくされた際、多くの企業で従来のオフィスに出社して働く方式から、在宅勤務などのリモートワークを取り入れる働き方へと変わった。会社の固定電話やオンプレミス型のPBXではリモートワークに十分対応できないため、Zoomやインターネット電話、クラウドPBXを提案している。22年には九州地区で初めてのZoom正規代理店となり、関連ビジネスを伸ばしている。
電話対応の集約で業務効率化
――ITC事業はどのような客層で構成されているか。
創業時は新出光が経営するガソリンスタンドと取引関係のある運送会社などに向けて、ビジネスフォンやPBXを販売するケースが多く、その後は福岡を中心とする中堅・中小企業ユーザーを開拓してきた。こうした経緯もあり、ITC事業の売り上げは九州北部で約8割を占めており、それ以外では、九州南部や山口、広島の各県にユーザー企業が分布している。
オフィス環境事業部事業部長 楠本高公
――働き方改革ビジネスの今後をどうみるか。
オフィス回帰の動きはあるものの、コロナ禍以前の状態に戻るわけではない。Zoomを活用したWeb会議の需要は依然として強く、インターネット電話の「Zoom Phone」の販売も好調だ。規制緩和の一環で「092」や「03」といった市外局番を含めて固定電話の番号の持ち運びが可能となり、例えば、東京オフィスにかかってきた電話を福岡で受けたり、福岡オフィスから東京の電話番号のまま電話を掛けられるようになったことも追い風だ。
アスクル事業を中心に、当社は東京と大阪にもオフィスを開設している。これまでは各拠点で電話での問い合わせ対応を行っていたが、クラウドPBXを自社導入してからは本社がある福岡オフィスに集約することができた。東阪オフィスに“電話番”を置く必要がなくなり、人件費の削減になるばかりか、福岡オフィスに顧客の声を一元化することで効率的に需要動向を把握できるようになった。
マネージドサービスを充実
――働き方改革と業務効率化の2本立てに進化しているということか。
そうだ。Zoom Phone一つ挙げても、録音した会話を文字に起こし、AIで要約して集計するだけで、顧客の声の分析が効率化できる。働き方改革と業務効率化の二つを追求することでユーザー企業の人手不足を緩和し、売り上げや利益の拡大、さらには働きやすい職場づくりによる人材採用にも役立つと見ている。
23年からはセキュリティーのマネージドサービスを充実させた。従来は何らかの障害が発生したときにユーザーから問い合わせてもらう方式であったが、現行の「ラクサポPLUS」では不審な振る舞いをいち早く検知し、ユーザーが不具合に気づく前に対処できるサービスへと進化している。
――複合機ビジネスはどうか。
富士フイルムビジネスイノベーションの複合機を軸に取り扱っているが、印刷枚数が伸び悩む一方で、紙文書をデジタル化する入力機器としての役割の重要性は増している。複合機メーカーも関連のソリューションを拡充しており、メーカーと連携してセミナーを定期的に開催している。
24年10月に福岡オフィスを改装し、ZoomやクラウドPBXの導入、ペーパーレス化の推進、ハイブリッドワークを前提としたオフィス設計を取り入れ、ユーザーが見学できる“ライブオフィス”とした。ユーザー企業の担当者に現代的なオフィスを体験してもらうことで、オフィスを丸ごと刷新するビジネスに弾みをつけている。
Company Information
新出光とフォーバルの合弁会社「新出光フォーバル」として1997年に発足。2008年に新出光100%子会社となり現社名に変更。ITC事業のほかにオフィス・リノベーション事業、アスクル事業などを手がける。従業員数は約150人。