週刊BCNは8月7日、北日本エリアでIT製品・サービスの販売に携わるベンダー各社に向けたセミナー「週刊BCN 全国キャラバン2026 in 札幌」を札幌市内で開催した。AI時代を見据えてIT企業が取るべき戦略について識者が講演したほか、セキュリティー対策やAIを活用したシステム開発、最新PCなどを展開するソリューションベンダー3社が自社の商材を紹介した。
北海道エリアのIT企業が参加した
週刊BCN全国キャラバン
基調講演には、北海道情報システム産業協会の会長を務めるデジックの中村真規社長が「AIの大波――地方企業の生き残り戦略」と題して登壇。中村社長は、AIエージェントの進化により、従来の人月ビジネスが限界を迎えると指摘し、自社の戦略を紹介した。
デジック
中村真規
社長
同社では、「AIラボ」を設けて社内でのAI活用を推進し、開発の高速化や社員のAIスキルの習得などに取り組んでいるとした。顧客の95%を本州の大手企業が占めているが、今後道内での顧客開拓に注力するとして、中小企業向けのAI経営支援ツールの拡販に注力する考えを示した。また、AIやロボットが増えていく中でも、人によるメンテナンスは不可欠だとして、サポート体制の強化を図っていることを明らかにした。中村社長は「われわれの仕事の本質はAIをつくることではなく、AIを道具として使い、お客様の生産性を高めるサービスを提供するのが重要だ」と強調した。
協賛企業によるセッションでは、アイキューブドシステムズのCLOMO事業本部営業部営業2課の梁信紀・アカウントエグゼクティブが「Windows PC『社外持ち出し』に潜むガバナンスの限界――既存の資産管理ツールでは防げない情報漏洩の実態と対策」と題し、PCを社外へ持ち出す際のリスクと対策について解説した。
アイキューブドシステムズ
梁 信紀
アカウントエグゼクティブ
梁アカウントエグゼクティブは、リモートワークによりPCを持ち出すケースが増加する中で、置き忘れや紛失のリスクが拡大していると説明した。一方で、紛失対策を実施していない企業が少なくない現状があると指摘し、PCの持ち出しを前提としたセキュリティー対策を設計する重要性を示した。有効な対策として、PCの盗難・紛失時に強力なロックと消去を実行し情報漏えいを防ぐ同社製品「TRUST DELETE」を紹介した。
オフショア開発で企業のシステム構築を支援しているカオピーズの佐々井文吉CSO(最高戦略責任者)は「ベトナムオフショアの限界を突破する――AIで実現する“超高速・超効率”開発モデル」をテーマに講演した。同社ではシステム開発業務においてAIを活用し、要件定義や実装といった工程で大幅な工数削減を実現している。
カオピーズ
佐々井文吉
CSO
同社が取り組む「AI-SDLC(AI駆動開発ライフサイクル)」では、AIが下書きや提案を行い、人が判断・承認するという役割分担を原則としている。要件定義・設計を担う「KARI Writer」など五つのAIエージェントが連携することで、開発品質・スピード・管理精度を向上させているという。最終判断を人が行うことで、AI誤生成リスクなどに対応できるとした。佐々井CSOは「今後、AIモデルが進化することで、AI-SDLCも大きく進化していく」と展望した。
サードウェーブで上席執行役員を務める法人事業統括本部の宮本琢也・本部長は「ローカルAI時代のハードウェア提案」と題し、企業のAI活用の加速により需要が高まるGPU搭載PCについて解説した。
サードウェーブ
宮本琢也
上席執行役員
宮本本部長は、生成AIの利用拡大や、動画編集、3D CAD、データ分析など負荷の高いワークロードの増加などを背景に、GPU搭載PC市場は今後成長を続けると分析した。同社では、米NVIDIA(エヌビディア)のGPUを搭載した多様なPCをラインアップしており、国内生産による短納期や幅広いカスタマイズ対応、充実したサポートなどを強みとする。大手ゲーム会社や製造業など幅広い業種での利用が進んでいるという。外資のPCメーカーもGPU搭載PCを積極的に市場に投入する中で、宮本本部長は「国内PCメーカーとして頑張りたい」と抱負を語った。
次回の「全国キャラバン」は9月18日に名古屋市の「AP名古屋 Lルーム」で13時30分より開催する。