良くも悪くも、IT企業に既存経営の見直しを迫った稀代の不況。IT市場全体のマイナス成長が確実ななか、自社が成長するために必要な経営は何か――。2009年は、それを各社ともに追求した年だったと表現できます。
ITベンダーのなかでも開発を得意とする有力SIerが追求した戦略の共通点が、取材を通じて浮き彫りになりました。それが「クラウド」と「グローバル化」です。
とくにグローバル化は興味深い傾向です。複数のSIerが、海外を安価なコストで開発するためのリソースとしてではなく、「営業エリア」として捉え始めたわけです。
NECや富士通などのコンピュータメーカーが、世界でビジネス展開する動きは数年前からあります。ですが、大手・中堅のSIerが「夢」ではなく、具体的な戦略を描き推進する動きは、これまでほとんどありませんでした。
内需に限界を感じたSIerは、外需獲得に向けて本腰を入れて動き始めました。
(木村剛士)
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開発系SIerの「勢力地図」 国内外で活路を模索メールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.1.13」より