今日のひとことWeb版

中国ではフィルタリングソフトは不要?

2010/07/20 15:26

 厳しい言論統制が敷かれる中国。ある日系セキュリティベンダーの担当者がこう漏らしました。「中国では、中央政府がある程度のフィルタリングをかけている」。だから、先進諸国で使うウェブフィルタリングソフトのような堅牢さは必要ないそうです。

 中国でインターネット接続した経験のある方ならお分かりいただけるでしょう。例えば、Googleの検索は使いものになりませんし、いまはやりのTwitterも使えません。少なくとも、記者自身が6月に上海に滞在した際はそうでした。最近ブームの「電子書籍」なら日本から中国へ発信できるかというと、そこにも統制がかかるそうです。

 それでも、中国にフィルタリングソフトの需要はあります。なぜか?言論統制が厳しく、テレビは全般的につまらない。だから、パソコンを使ってインターネットで「遊ぶ」のだそうです。

 しかし、平均年収7万円弱の中国国民にとって、パソコンは高嶺の花。だから、会社のパソコンを使ってSNSや株取引、有料ゲームのダウンロードなどをしてしまうのです。そこに、フィルタリングをかける必要が出てくるのです。

 アルプスシステムインテグレーション(ALSI)が夏休み期間中に家庭のパソコン用フィルタリングソフトを無償提供し、利用を促す活動をしますが、おそらく中国ではこうした活動は不要でしょう。(谷畑良胤)

【記事はこちら】
ALSI、夏休み期間限定で家庭向けフィルタリングソフトを無償提供
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.7.20」より
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