▼12月4日、安徽省の省都・合肥市から上海市までバスで移動した。さて、合肥市はどこにあるのか。まずは中国全図を広げて、北京から南に線を引く、成都から東に線を引く、広州からやや北東に線を引く。その交わった辺りに合肥の街がある。合肥から東を見ると南京、上海へと続く。

▼中国には東京クラスの大都市がおよそ20か所ある。合肥はその広大な中国の中心に位置している。移動に便利なこの地の利を生かして、合肥市は市内に“リトル東京”の建設を進めている。この予定地を見て、隣接する大都市の南京、上海に移動した。長江沿いの道路を東へ東へ走るわけだ。この間を旅する。

▼移動する高速道路から見える景色は原っぱであったり、遠くに建設中のビルが建ち並ぶ町が見えたり、低山が見えたりと、広大な土地はまだまだのんびりしている。これから先の10年以内には合肥、南京、上海間の高速道路は交通ラッシュになるのではないか──などと将来の伸びしろを考えながら車窓の景色を楽しんでいる。「あっ、左側に長江が見えたぞ」。もうそろそろ南京に着くのかな。時計を見る。「いや、まだだ」。さて、いったいバスはどこを走っているのか。（直）