先日、経済産業省の出先機関で近畿地域2府5県を統括する近畿経済産業局に立ち寄ってきました。東日本大震災で、大阪のIT景気がどう変化しているかを聞くためです。直近では、インターネットイニシアティブが、大阪にディザスタ・リカバリ(DR)サイトとなるデータセンター(DC)を開設するニュースがありましたが、近畿経済産業局では、「実際、震災後に関西圏でDC設置が相次いでいます」とのことでした。
次にこんな質問をしました。「それなら、IT景気もよくなる兆しがありそうですね」。担当者の答えは「兆しはありません」。なぜなら、大阪をはじめとする関西圏には、組み込みソフト開発や受託ソフト会社が多く、これらはクラウドやDC事業で恩恵を受ける事業体ではないからです。
いま、関西圏のIT関連のイベントをみていると、「スマート○○」をテーマにしたセミナーが多いのに気づきます。例えば、スマートメーターがデジタル化されれば、そこに組み込みソフト開発やメーターの監視ソフトなどで、新たな領域のITが生まれる可能性があるのです。製造業を相手にするベンダーが多いだけに、注目はDCではなく、次の技術革新に移っているようです。(谷畑良胤)
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IIJ、7月に大阪にDCを開設、DRサイトとしての活用を訴求メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.7.4」より