大手電機メーカーの苦戦が伝えられています。そのなかで、彼らは3Dテレビやスマートテレビなど、次々と新しい手を打って復活を目指しているようにみえます。
ただ、「3D」と「スマート」とでは印象が異なります。「3D」はデバイスの技術ですが、「スマート」の本質はデバイスにはなく、クラウドにあるとみられているからです。こうなると、メーカーはデバイスから脱却するという業態転換を迫られることになります。
あるネットベンチャーのキーマンは、ITのトレンドを次のように話していました。
すなわち、近年の主流デバイスの変遷は――パソコン→ガラケー→スマートフォン(モバイル)、
そして、近年の主流サービスの変遷は――ポータル(Yahoo)→検索(Google)→ソーシャル(Facebook)。
つまり、現状をみる限り、「スマートデバイス」と「ソーシャルサービス」を組み合わせれば差異化が図りやすい。もちろん、「スマート」も「ソーシャル」も電機メーカー主体でつくりだす必要があります。「クラウド」や「スマート」「ソーシャル」を、“電機製造業”に求めるのはいささか酷のような気もしますが、転換しなければ復活はない――。
振り返って足下をみれば、情報サービス業も“ソフト製造業”からの転換を迫られています。この二つの業界は、案外同じ境遇にあるのかもしれません。(安藤章司)
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Speee 取締役ファウンダー 久田哲史 マーケットアプローチで世界を目指すメールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.2.23」より