北斗七星

北斗七星 2012年5月21日付 Vol.1432

2012/05/24 19:47

週刊BCN 2012年05月21日vol.1432掲載

▼国境というものがある。日本は海に囲まれているので、国境の存在をイメージしにくい。中国は14か国と接している。地続きだから歩いて別の国に入ることができる。日本にいると、その感覚が理解できない。島に閉じ込められた窮屈な民族といえる。

▼このゴールデンウィークに雲南省の景洪からラオスのボーテンに陸路で入った。道は高速道路並のしっかりした道でつながっている。国境には、ラオスから中国に入る大型トラックが材木を積んでずらりと並んでいる。この国は中国に輸出を依存している。ラオス側の道は中国が一緒につくったといわれており、両国は親しい関係にある。

▼昨年、ベトナムと中国の国境を見た。国境の検問所は2か所。いずれも緊張感が漂い、中国側の道はピカピカだが、ベトナム側の道はガタガタの狭い道でずいぶん整備が遅れている。隣国であっても道路事情はずいぶん異なる。道は経済の動脈であり、戦の生命線でもある。中国はこうした違いをもつ14の国と接している。国境を結ぶ両国の道の様子を眺めると、親密度がわかる。日中は海の国境線にあって繰り返し論争をしている。経済交流のブレーキにならないことを願う。(直)
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