国内クラウド・SaaS市場の有望性を疑うIT業界の関係者はいないでしょう。すでにCRM(顧客関係管理)やウェブ会議などの分野では、市場に占めるクラウドサービスの割合がパッケージのそれを凌駕しています。しかし、情報システムすべてのクラウド化が進んでいるわけではありません。ERP(統合基幹業務システム)の分野はパッケージが大勢を占めており、クラウドERPの普及については、懐疑的な見方をする関係者が存在します。
しかし今年に入って、状況は変わりつつあります。
日本オラクルがクラウド対応の業務アプリケーションスイート「Oracle Fusion Applications」を発表したほか、SAPが「People」「Money」「Customers」「Suppliers」の四つのキーワードを軸に、クラウドサービスを提供する方針を示しています。インメモリデータベース「SAP HANA」上で稼働するPaaS「SAP NetWeaver Cloud」との連携も明らかにしています。
ネットスイートは、2層ERP戦略の下で「NetSuite」を販売してきました。
国内勢では、NTTデータビズインテグラルが「Biz∫」、富士通マーケティングが「GLOVIA smart きらら」、スーパーストリームが「SuperStream-NX SaaS対応版」を、それぞれ開発・販売しています。
『週刊BCN』編集部は、クラウドERPを提供する主要ベンダー幹部を招き、クラウドERPベンダー座談会を開催しました。各ベンダーのクラウドに対する期待はもちろん、考え方や取り組みの違いが浮き彫りになりました。(信澤健太)
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<クラウドERPベンダー座談会>疑いようのないクラウドの潮流 いまや重要な選択肢にメールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.6.26」より