2010年頃、現在SAPの傘下に入っているサクセスファクターズが本格的に日本市場の開拓に乗り出しました。他の外資系ITベンダーも同様に、ここ2年ほどタレントマネジメントシステムの売り込みに励んでいます。企業を取り巻く経営環境は劇的に変化しており、この変化に対応できる人材の確保、育成は喫緊の課題。タレントマネジメントシステムは、問題意識をもちながらグローバル化への対応を進める企業に主に受け入れられてきたようです。
タレントマネジメントというと、外資系ITベンダーに注目が集まりがちですが、国内ITベンダーも積極的な動きをみせています。日本企業ならではの雇用形態や人材育成への姿勢を踏まえて開発した製品で、あえて「タレントマネジメント」と謳っていないものも少なくありません。
どちらが正解というわけではありませんが、日本のユーザー企業の間では、当面、試行錯誤が続くことになりそうです。国内ITベンダーからは、「例えば、グローバルに展開する金融企業は、各国の事情に合わせた商品を開発しているので、当然、国別に異なる人事評価制度をもつケースが出てくる。一方で、そんな企業でも役員層はグローバルで統合管理したい、また、中間層もある程度は統一基準でスキルを評価できるようにしたい、というジレンマがみられるようになるだろう」との声も上がっています。(信澤健太)
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「人材管理」は日本の実情に合わせる! 国内アプリベンダーの攻勢が始まるメールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.10.16」より