いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>タレントマネジメント

2012/11/29 15:26

週刊BCN 2012年11月26日vol.1458掲載

【タレントマネジメント(Talent Management)】
人材の才能やスキルなどの情報をデータ化して、配置や育成、評価など、一連のキャリアプロセスで統合的に管理すること。

 人材の年齢や職歴などの基本情報だけでなく、タレント(才能やスキル)に関する情報までをデータ化し、配置や育成・評価など、一連のキャリアプロセスのなかで統合的に管理すること。専用のアプリケーションや人事管理システムの一つの機能として提供される。データをもとに戦略的に人材を割り当てることで、本人の能力や意欲を引き出し、組織全体のパフォーマンスを向上する。

 従来の人事管理システムは、勤怠処理や人件費・給与計算などが中心で、収められる情報は住所や生年月日、職歴など、基本的なものだけだった。タレントマネジメントでは、これらの情報に加えて職務上のスキルや実績、勤務態度などの情報をデータ化し、一元的に管理。グラフ化や分析シミュレーションを通して、人材の配属や重要部署の後任などの施策を講じる。

 とくにグローバルに展開する大企業で、タレントマネジメントの導入が増えている。諸外国と比べて遅れているといわれるグローバル人材の活用を促進したり、国ごとに異なる人材管理の方法を統一したりするために活用している。

 例えば、海外現地法人の重役を選定する際、従来は人事管理システムが国ごとに異なるなど、人材データが統一されておらず、基本情報以外のデータが乏しかったので、適任者を判断することが難しかった。しかし、タレントマネジメントを活用すれば、一元管理している人材の付加情報から最適な人材を選定できる。

 調査会社のアイ・ティ・アールは、タレントマネジメントを含む人材管理市場の2010年度の国内市場規模を、前年度比55.6%増の7億7000万円、11年度を前年度比48.1%増の11億4000万円と予測している。急速な成長で、新たなチャンスの到来が期待されるビジネスだ。
  • 1

関連記事

タレントマネジメントの将来像 先行する米国の動きに注目 統合スイートかベスト・オブ・ブリードか

<市場講座 数字で読み解くIT市場のツボ>アナリストが読む「タレントマネジメント」 グローバル化が遅れているが、必要性の認識は高い

人材を“見える化” 「タレントマネジメント」は市場に根づくか

「人材管理」は日本の実情に合わせる! 国内アプリベンダーの攻勢が始まる